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連休中に読んだ本 [本]

連休いかがお過ごしでしたでしょうか。
私は特にこれといってイベントもなくだらっと過ごして終わりました。

以下、連休中に読んだ本など。

「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」 辺見じゅん



読売新聞は日曜日に書評面があって、そこで連載されている「平成時代 名著50冊」というシリーズを毎週楽しみにしています。
選者の一人は大好きな梯久美子さん。この本の選者です。

シベリアに抑留され、収容所で亡くなった方の遺書が遠く日本の家族のもとへ届けられた。
文字が書かれたものは一切持ち帰ることができなかったにも関わらず、長文の遺書はいかにして運ばれたのか。

タイトルにもなっている遺書の話は、実は最後にちょっとしか出てこない。
大部分は収容所での生活について描かれているのだけれど、いかに過酷だったかという告発の書ではなく、いつ帰国できるのか、そもそも生きて日本に帰れるのかわからない絶望の中で、希望の灯をともし続けた山本幡男という人物を中心に話は進みます。
ロシア語が堪能で、日本の古典文学にも精通している大変なインテリ。
この精神力はいったいどこから来るのだろうと不思議に思う。
もしかして軽い躁病だったのではないかと疑いたくなるほどです。

シベリアに10年抑留されていたと思えば、今からだって何でもできるような気がしてきます。


「シリアの秘密図書館」 デルフィーヌ・ミヌーイ



これまたやっぱり読売新聞の書評で紹介されていて、たまたま図書館で見つけたので読んでみた。
政府軍に包囲され爆撃に晒されるダラヤという町で、若者たちは瓦礫の下から本を探し出し、きれいに修復して、地下に秘密の図書館を作った。
飢えと死の恐怖に怯えながら、人々は貪るように本に没頭する。
という、ノンフィクションです。
どうよ、おもしろそうじゃない?

ただし、ひとつひっかかっていたのは、著者がフランス人であるということ。
私はどうもフランス人の書く文章が苦手だ。
でも内容はおもしろそうだし。

そして私の嫌な予感は当たった。
ノンフィクションのくせに文学的、詩的表現を多用する文体。
やたらと抒情的な自分語り。
おおお、フランス人よ! もっと淡々と簡潔に事実だけを述べてくれ!

あえて引き合いに出すけれど、上記の「収容所から来た遺書」では、あとがき以外で一切「私」は出てこない。
ノンフィクションかくあるべし。


「日本文学全集 14 南方熊楠、柳田國男、折口信夫、宮本常一」



池澤夏樹個人編集のあれです。
なんかもう、並んでいる名前を見るだけでワクワクしてきます。

南方熊楠は何がいいって、名前がいいよね。
変人かつ知の巨人。
掲載されている文章は明治の文語文なので読むのはちょっと大変です。

柳田國男は正統派。折口信夫は感覚派。
宮本常一は初読。聞き書きの「土佐源氏」「梶田富五郎翁」はめっぽう面白い。
現在の画一化された社会で文化の多様性が失われていく悲しさよ……。

言っておきますが、所々つまみ読みしただけっすよ。


「残酷な神が支配する」 萩尾望都



昔、コミックスで途中まで持っていたけれど最後まで読まずに手放してしまったので、Kindle版で改めて読んでみた。
性的虐待によるトラウマの話だから、読んでてしんどいんだけど、終盤、精神世界での畳みかけるような対決シーンは圧巻。
漫画だけど娯楽ではないよね。
セレブな人々の話なので、お洋服や建物や食事が豪華なのは眼福。
美形だらけだし。
萩尾望都の圧倒的力量に感服いたしました。

検索したら素晴らしいものが出てきたのでリンクはっておきます。
萩尾望都も神だが、この方も神ではなかろうか。





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渋谷2days [日記]

年甲斐もなく(?)土日続けて渋谷へ行ってきました。

渋谷の先、新代田でのScoobie Doライブです。
若いバンドとの対バンシリーズで、私の独断と偏見によると、土曜日はロック寄り、日曜日はファンク寄り、という印象。
Scoobie Doの選曲もそれに合わせていたように感じます。
私は日曜日の雰囲気のほうが好きね。
いやもうホント、4人ともめちゃくちゃカッコよかった。
見ていて自然とニヤニヤしてくる。
あー、また行こう。

日曜日はライブの前に「修道士は沈黙する」という映画を観ました。
これがねえ、うん、よくわからない。
芸術的過ぎてわからないのではなくて、経済とか政治の前提知識がないとよくわからないんだと思う、たぶん。

G8財務相会議の場に特別ゲストとして呼ばれたイタリア人修道士。
彼は会議の前夜にIMF専務理事に呼ばれ、告解をしたいと告げられる。
翌朝、専務理事は死体となって発見された。
専務理事は修道士にどんな秘密を語ったのか?
各国の思惑は?

……みたいな、そんな話。おそらく。

私には難しすぎて、別に理事死ぬ必要なくね? と今でもよくわかっていないのだけれど、決してつまらなくはなかった。
修道士役のトニ・セルヴィッロが大変素晴らしい。
というか、私はもしかしたら単にあの修道士の服が好きなだけなのかもしれない。

G8の財務相たちがそれぞれどの国の人なのかがイマイチわかりにくかったのが残念。
ヨーロッパ人が見たらすぐにわかるのかしらね。
裸とか下着姿とかの女性をやたら出す時間があったらそのあたりの説明を丁寧にして欲しかった。

私がなぜこの映画に興味を持ったかというと、この修道士がカルトジオ会所属という設定だったからです。
グランド・シャルトルーズ修道院を総本山とする、沈黙と瞑想のカトリック会派。
かつて読んだ「沈黙すればするほど人は豊かになる ラ・グランド・シャルトルーズ修道院の奇跡」とドキュメンタリー映画「大いなる沈黙へ」でその静謐な空気に魅了されたあの会派です。

マネーの化け物たちと、沈黙と瞑想と祈りに生涯を捧げる修道士。
うーん、ミステリアス。
私にはミステリアスすぎてよくわからなかったが。。。

さ、解説ページでも読んでこようっと。


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真実 新聞が警察に跪いた日 [本]

「真実 新聞が警察に跪いた日」 高田 昌幸



殺人犯はそこにいる」の清水潔のおすすめにより。

北海道警察の裏金問題を暴いた北海道新聞に、道警が徹底的にねちこく圧力をかけてついに屈服させたいきさつを記したノンフィクション。
当事者の記者が書いたものなので、読み始めたときは恨み節がちょっと気になったのだけれど、読み終わったらこれは恨み節になっても無理はないと思った。

警察の隠蔽体質や腐敗はよく聞く話だけれど、ここまで腐りきっているとは身震いがします。
そして裏金報道を支持した会社上層部は、道警からの圧力が始まると手のひらを返したように担当記者をスケープゴートにして警察にすり寄り始める。
いやあ恐ろしい。日本の組織って本当に恐ろしくて醜いね。
特に組織の「エライ」おじさんは吐き気がするほど醜いね。
だけど、組織から離れたとき、一人ひとりは往々にして「いい人」だったりする。
それがまた組織の恐ろしいところだ。

間違ってもさわやかな読後感ではありませんが、目をそらしてはいけないことが書かれていると思いました。


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四月歌舞伎座 夜の部 [歌舞伎]

久々に歌舞伎座へ行ってきました。
この備忘録ブログによると実に5年ぶりです。

夜の部なので、まずは遅めの昼食兼夕食を近くのカフェでいただきます。
銀座の人気カフェ、リール ギンザ。
全然知らんかったけど、ネットで調べたら出てきたから行ってみべぇ。

人気店なので並ぶことも多いようですが、平日の中途半端な時間帯だったのでスムーズに入店。
キッシュとサラダのプレートランチを頼んでみました。

最初に出てくるのはデミタスカップに入ったポタージュスープ。
ティースプーンより小さいスプーンでこれをちまちまと口に運ばねばならない。
こんなもん一息でくいっと飲み干せてしまわぁ、と思いながら、もしかするとこの腕の運動によってカロリーが幾分消費されて以降の料理がより一層おいしく感じられるという心憎い気配りなのかもしれない、と考えてみる。

続いてキッシュとサラダとマリネのプレート。
おしゃれ。かつ、無難にうまい。

最後にミニデザートと紅茶。
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おいしいし、オシャレだし、高すぎないしで、人気店なのは納得なんだけれども、なんだか私には居心地があまりよくなかった。
なんでだろうなぁ?
早々に退出。

まだ時間はあるので歌舞伎座タワーの5階にある庭園に行ってみる。
ふうん。
終了。

地下に降りてお土産屋さんをひやかす。
でも何も買わない。

まだ時間があったので近くの東劇に行ってチラシを一通りもらってきたところでちょうど開場時間です。

演目は「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」。
歌舞伎座が新しくなってチケットが軒並み3割くらい値上がりしてからめっきり足が遠のいていましたが、仁左衛門さん演じる鶴屋南北の極悪人、しかも一世一代と言われては行くしかあるまい。
奮発して一等席をとりましたよ。

2階の西側桟敷です。こんな感じで物が置けて便利。
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お芝居のほうはとにかく悪い。そうとう悪い。
仁左衛門さんは二役で、どちらも極悪人。
まずは殿様のほうで、いきなり百姓の子供をお手打ちにする。
さらにこれを利用して邪魔者をだまし討ちにして、さらには供の者も斬り捨ててそいつに罪をなすりつける。
すごい。悪い。

この殿様は相当ワルなんだけれども、聞き分けなく駄々をこねて泣き叫ぶ子供を容赦なく斬り捨てる場面で、観ている人間の心に「酷い」という気持ちだけでなく、ちょっとだけスカッとする気持ちがあったりもして、そのことに恐ろしくなったりもする。
こういう人間の業の深さのようなものを抉り出す鶴屋南北って改めてすごいと思う。

もう一役の方もかなり悪くて邪魔者は片っ端から殺してしまう。
しまいには女房まであっさり殺す。
うーん、すごい。

仁左衛門さんのワルぶりは言うまでもなくかっこよかったけれど、彌十郎さんのどっしりした安定感がお芝居全体を支えている感じがしました。

あと、時蔵さんのうんざりお松がキャラクター含めてすごくいい。
25になるこれまでに、持った亭主は16人。すごい!
あらゆる悪に手を染めて、爛れきった色気があります。
そして商売道具の毒蛇の生き血が欲しいと言われたらあっさり蛇の首筋を嚙み切って血を絞り出すワイルドさ。
さらに惚れた男には重い女。
いいねー、いいキャラだねー。
で、結局殺される、と。

最後は三人兄弟の次男夫婦が無事に仇討ちを果たすのだけれども、次男の妻・皐月の予想外の強さに目を見張ります。
ばったばったと雑魚を倒し、ラスボスとも互角に立ち会って夫と力を合わせてついに討ち果たす。
妻・皐月すげえ!

久々の歌舞伎座、楽しかったです。
歌舞伎座へ行くというのは、歌舞伎を観るだけではない娯楽性がありますね。
隣の上品な奥様とも色々おしゃべりできて楽しい観劇でした。

でもやっぱりチケット高すぎるから次行くのはまた5年後かも。


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宝塚花組公演 ポーの一族 千穐楽ライブビューイング [日記]

宝塚花組公演『ポーの一族』千穐楽ライブビューイングを観てきました。

宝塚の舞台は10年以上前、友の会に入っている先輩に連れて行ってもらって2回ほど観たことがあるだけ。
舞台のチケットを素人が入手するのは困難ですが、大変ありがたいことに全国各地の映画館でライブビューイング上映してくれます。

車で1時間以上かかる場所なので大変おっくうだったのですが、頑張って行ってよかった。
いやあ素晴らしかった!
ライブビューイングの技術よ、ありがとう!

萩尾望都の代表作の一つである「ポーの一族」が宝塚で舞台化されるということで、私に情報が入ってくるくらいだから世間一般でも話題になったのではないでしょうか。
へえー、と面白半分でネット上の記事を見たら予想以上のヴィジュアル完成度の高さにびっくり。
萩尾先生も大絶賛というのも頷けます。

こちらの方のツイート画像がすばらしいのでリンクはっておきます。



宝塚の問答無用のきらびやかさは、やたらと美形だらけの萩尾望都のリリカルな世界と予想以上に親和性が高かった。
ミュージカル特有のオーバーアクションを不思議に感じるのも最初の数分だけ。
ぐいぐいと宝塚ワールドに引き込まれていきます。

長いお話を無理なくコンパクトにまとめていて、分かりやすくも原作の世界を見事に表現していました。
私の好きなオズワルドのエピソードがほぼカットされていたのは残念だけれど、あれを入れてしまうと一本ではとても収まらないのはわかる。
原作ファンが見たら「あのイラストと同じ構図だ!」とピンとくる場面もあったりして、原作のシーンが浮かぶことが多々あり、忠実に再現しつつもあくまで宝塚ワールド。すごい。

シーラ夫人が綺麗だったなぁ。
あのたおやかな美貌は説得力があった。
清らかで伸びやかなお歌も見事でした。

アラン役の方は切れのある美貌で、原作のアランとはちょっと雰囲気が違うけれど、あれはあれで美しくて好きです。
本当にお綺麗。

老ハンナがちっとも老じゃなくてお肌ツヤツヤ、ダンスキレキレだったのが面白かった。
メリーベル抱えちゃうしな。

千穐楽なので退団する方の挨拶なんかもあったのですが、つくづくトップスターというのは大変な重責なのだなと感じました。
舞台では歌も踊りも演技も、誰よりも存在感を出すことを求められ、ほぼ出ずっぱりの状態。
最後は15kgあると言われる羽を背負って颯爽と登場。
しかしその重さを感じさせない優美な笑顔でお辞儀をする。ありゃ相当な肉体労働だぞ。
お芝居が終わっても、何度も行われるカーテンコールでは組を代表して自分の言葉で挨拶しなければならない。
宝塚のトップスターは割とあっさり退団してしまう印象があるのだけれど、こりゃ何年も務められるもんじゃないな、と納得しました。
しかしそうして舞台の真ん中で誰よりも輝くことは、余人には計り知れない喜びもまたあるのだろうと思います。

最後のショーはとにかく美しく楽しく華やか。
浮世を忘れさせるよくわからない感動があります。
宝塚104年の歴史は伊達ではないですね。
改めてすごいと思いました。

あとでキャストとかを調べていたらとてつもない深い世界に引き込まれそうになってゾクッとしました。
この世界は一度ハマると大変なことになりそう。。。
はるかに深い森の中に迷い込んだら生きて帰って来られない気がするので、この辺で一旦引き返そうと思います。

あ、でもDVDはちょっと欲しくなっちゃった。



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サンウルブズ×チーフス [ラグビー]

秩父宮でサンウルブズ×チーフスを観てきました。

行こうか行かないか迷っていたのですが、ダミアン・マッケンジーがスタメン登録と知って行くことを決意。
だって見たいよねぇ、ダミアン・マッケンジー(22)はねぇ!

なんか日本のファンに向けて挨拶してくれてるし。




さて、秩父宮に到着すると、正面広場でバルーンウルビーくんがお出迎えです。
今まではバックスタンドに向かう途中の目立たないところにあったのですが、前に出てきたようです。

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グッズ販売テントでは内田選手と福岡選手がサインと写真撮影に応じていました。
途中で山田選手とエメリー選手(間違ってたらごめんなさい……)に交代。
それを列に並ぶでもなくじっとりと眺めているワタクシ。
フード&ドリンクのコーナーでは布巻選手が対応していましたね。

とりあえず席に着こうと歩いている途中で、子供たちのサイン攻めにあっている内田選手を発見。
微笑ましく眺めていたらちびっ子たちの波が引いて2,3人のみになった。
これは、私にも写真撮影のチャンスがあるのでは!? と急ぎ駆け寄り、ツーショット写真ゲット。
いえい。
しかも、本人にスマホを渡して撮らせる。若干困惑気味でしたがこころよく応じてくれました。
内田選手いい人!
最後に「すごいかっこいいですね[ハートたち(複数ハート)]」と声を掛けることも忘れない。
女も40近くなるとこれくらいのことはできるようになります。
全国のシャイな少女たちよ、希望を持つがいい。

ぐるっとバックスタンド側の通路を歩いていたらファンと交流中の選手を発見。
サム・ワイクス選手、真壁選手、福岡選手、ヘイデン・パーカー選手の4名。
当日朝に先着200名に配布された整理券を持った人が対象のファンサービスです。
係の方に聞いたら8時くらいから並び始めるそうですよ。
みんな熱心だなぁ。
私も興味はあるけど8時に秩父宮は無理だなぁ。

今回は日当たりがいいバックスタンドでの観戦。
バックスタンドは屋根がないので雨や日差し対策が必要なのだけれど、ピッチに近いので選手が近く感じられていいですね。
でも写真は逆光になってしまうのよ。。。

パンを食べながらぼんやり眺めていたら誰やらチーフスの選手が練習に現れましたよ。

んー? んん~?

あのブロンド、あの細身。
あれは……いきなりダミアン・マッケンジーではないか!?

おおおー、筋トレしとるー。
おおおー、キック練習しとるー。

ダミアン・マッケンジーといえば、プレースキックの時の微笑みのルーティンが有名ですが、それだけではありません。
キック良し、パス良し、走れば世界最高のラインブレイカー。
22歳にしてすでにこれだけの花形選手ですから、さらに経験を積んだらどれほど素晴らしい選手になるのか末恐ろしいですね。
スタンドオフもやるようになって、ダン・カーターの後継者となるのか。
楽しみです。

試合中も抜群の安定感でしたね。
177cm、78kgというのはラグビー選手としては小柄で、むくつけき男たちの中では分かりやすいくらいに細身なのですが、タックルされても不思議と倒れない。
うまーく力を流す体の使い方を知っているのでしょうね。
すごいなぁ。

福岡選手なんかもそうですが、足の速い選手って走る姿がネコ科の動物のようにしなやかで美しい。
ダミアン・マッケンジーのラインブレイク、見事な走りでした。

で、試合の方は10-61とサンウルブズ惨敗。
やはりチーフスは強かった。
レタリックもサム・ケインもいるんだもの~。

サンウルブズファンとしては残念な試合でしたが、ダミアン・マッケンジーは見るだけの価値はありました。
試合中、長めの前髪をやたらと掻き上げていたのが印象的でした。
精神安定に一役買っているのでしょうか。
ばあちゃんに見つかったら「邪魔だっぺ、それ。ばあちゃん切ってやっから」と言われそうです。



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ゲーム理論はアート [本]

「ゲーム理論はアート」 松島 斉



読売新聞の書評と、「社会のしくみを思いつくための繊細な哲学」というサブタイトルと、「ゲーム理論家が示す生きづらい社会で生きる人のための道標」という帯に惹かれて買ってみたのだけれど、ちょっと看板に偽りありなんじゃないかと……。

一般向けに書かれたゲーム理論の入門書で、つまらなくはないし、一般の人にもわかるようにできるだけ平易に、なるべく現実社会に即して書いてくれているのだけれども、どんなに簡単に説明しても、そもそもが難しいことを言っているので小説やエッセイを読むようにはいかない。そりゃ当たり前。
脳内のいつもは使わない部分に汗をかきながら、最後はなんとかやっつけた、という感じ。
特に11章はついに数式が出てきてしまって、高校数学で赤点ばかりとっていた私はもうお手上げ。
なんか悔しい。。。

高速の情報処理能力と通信手段を持った者に有利な現在の株取引制度に対して、ゲーム理論から導き出された制度設計で不公平をなくそうという提言を読んで、これって株取引だけの話じゃなくて、来るべきAI時代において優秀なAIを持つ者と持たない者との格差拡大について全般的に言えることだよなぁ、と思った。
ゲーム理論の叡智を有効活用して、もっと生きやすくて豊かな社会にしていけるといいですね。



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鈴本 3月中席 夜の部 [落語]

仕事を休んで上野へ行ってきました。

暖かくなると虫だけでなく、人間もどこからともなく湧いて出てきます。
平日なのに上野公園にはたくさんの人がいました。

私が行ったのは午後3時過ぎだったので、シャンシャンの整理券配布は当然終了しています。
本日は11時で配布終了だったそうです。
タイミングが合えば見てみたいなぁ。

開園前にはここに整理券目当ての遥かなる行列ができるのでしょうね。。。
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上野公園にはたくさんの外国人観光客がいて、ナニ桜か知らないが早咲きの桜を背景に熱心に写真を撮っていました。

少し時間があったのでカフェでパンケーキとカプチーノを頼んでみた。
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ふわふわパンケートということでおすすめされたのだが、食感はふわふわというかもっちり。
パンとかケーキの感じはまったくなく、歯ごたえはむしろウイロウとか求肥に近い。
これは、あれだね、失敗作だね?
味は悪くないのでそのまま食べましたがなんだか腑に落ちない。

お皿を下げに来たマネージャーらしき人に「多かったですか?」と声を掛けられたので、量の問題じゃねぇよ、と心の中でツッコミを入れつつ思い切って「あの、ふわふわパンケーキって聞いてたんですけど、ふわふわというか、もっちりですね」と言ってみたら「もっちりでしたか。ありがとうございます」と流された。
私としては感想を述べたのではなく、遠回しに不信感を表明してみたのだけれども……まあいいか。

この店には以前にも一度入ったことがある。
その時一緒だった人は彼氏と別れる寸前の状況でそのことで頭がいっぱいだったので、私が何を言っても上の空で話はすぐに彼氏のことに戻ってしまい、彼氏はあきらかに心が離れている状態で彼女もそれはわかってはいるのだけれども意地で別れたくないといった感じで「どうしたらいいと思う?」とか聞かれたって、心が離れちまったもんはしょうがねぇだろ、さっさと別れろ、と思いながらピザを食ったことを思い出した。

どうもこの店とは相性がよくないらしい。
悪い店ではないんだがなぁ。
三度目の正直はたぶん、ない。

で、別に私はういろうパンケーキを食べに上野へ来たのではなくて、鈴本へ落語を聞きに来たのでした。
夜の部は白酒師匠の25周年記念公演です。
ちょうど芸術選奨新人賞を受賞されたところで、とてもタイムリーですね。
等身大パネルも置いてありました。

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前座は乃ゝ香ちゃんの「子ほめ」。今日も可愛かったが、前髪がすごくジャマそうで気になるから止めた方がいいと思うぞ。

志ん吉 「不精床」
アサダ二世 奇術
志ん陽 「代書屋」
燕路 「あくび指南」
正楽 紙切り
白鳥 「座席なき闘い」
馬石 「鮑のし」
ぺぺ桜井 ギター漫談
百栄 「桃太郎」
扇家社中 太神楽曲芸
白酒 「幾代餅」

白酒師匠はやっぱり面白かった。
清蔵の声が変わるのは独自の演出なんでしょうか。あれ、すごいおかしくて好き。
大笑いするおかみさんと親方を見ていると、なんだかこっちまで腹を抱えて笑った気になります。
笑えて最後はすっきり気分が良くなるいい噺でした。

土日も行きたいなぁ。
でも5時半開演8時40分終演は遠方からはちょっとしんどいのよ。


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キャパとサワダ [本]

「ロバート・キャパ写真集 (岩波文庫)」


戦場写真家の代名詞とも言えるロバート・キャパですが、私はその写真を見たことがなかった。
読売新聞の書評で紹介されていて、ちょうど「ライカでグッドバイ」を読んだ後だったため興味を持って購入。

正直に言うと、「キャパすげえな」とは思わなかった。
反ファシズムの正義の戦い、という視点が色濃いのもあまり好きではない。
アメリカ兵を熱烈歓迎する市民とか、若いアメリカ兵と子供たちとか、プロパガンダ的なものが多いように感じた。
それはキャパがユダヤ人だということは当然あるだろうけれど、岩波の恣意的な編集があったりするんじゃないかしら……なんてうがった見方をしてしまう。

キャパが1954年に来日した際に撮った子供たちの写真はいいな、と思った。
この時代の子供たちが着ている服は生地と仕立てがしっかりしていることが写真からもわかります。
日本は本当に豊かになったのか……考えてしまいますね。


「泥まみれの死 沢田教一ベトナム写真集」


神のような存在であったであろうキャパの戦場写真は政治色が強い一方、サワダの写真は、敵とか味方とか正義とか、そういうものを越えて戦争に翻弄される「人間」を撮っているように感じます。
それは同じ日本人である私の贔屓目ですかねぇ。

沢田教一自身のポートレートも収録されていますが、なかなかの男前。
角度によってはジョン・ローンに似ている。
サタ夫人もくりっとした目元が印象的なとてもチャーミングな女性。
英語が堪能で社交的でユーモアのある人だというから、さぞや魅力的な女性だろうと思う。

この本は写真集ですが、生前に親交のあった人々が寄せた文章など、読み物としても充実しています。
ひとつ申し訳ないのは、絶版になっているため中古で購入したこと。
今度は大判の写真集を新品で買います。


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ハリー・ポッターと死の秘宝 [映画]

7作目「ハリー・ポッターと死の秘宝」を観ました。




ハリー・ポッターシリーズとは、つまるところ、スネイプ先生は最高だ、という話だと理解しました。
これはとっつぁん坊やハリー・ポッターの物語ではなく、ツンデレおっさんセブルス・スネイプの物語です。
多分そう思っているのは私だけではないはず。
その証拠に人気キャラランキングはスネイプ先生がダントツトップだそうです。
ネット情報なのでどこのどんな調査かは知らんが。

Part1は冒頭いきなりスネイプ先生でしかもめちゃくちゃカッコいいし、Part2も憂いのスネイプ校長から始まり見どころ満載。
生徒たちを集めて話をする時ポケットにおててを入れている姿は愛らしく、マクゴナガル先生との対決は切れ味バツグン。
スネイプ先生だけでなくマクゴナガル先生の見せ場も多くて嬉しい。
城の守護を呼び出した後、「この呪文、一度使ってみたかったんですよ♪」と少女のようにウキウキしている様はお流石。ついていきます!

スネイプ先生のお最期は圧巻だし、リリーをまだ愛しているのかと問われて「永遠に」と答えるところはシリーズ最大の落涙シーンです。
やりすぎの感はあるけど似合ってるからまあいいかのスネイプ先生の一人称「我輩」は流石に最期のシーンでは「私」でしたね。
「我輩を見てくれ」ではさすがに笑っちゃうからなのか、ハリーではなくハリーの瞳に宿るリリーの姿に話しかけているという深い解釈によるものなのか。

え、子供たちの大活躍もあるだろうって?
そんなもなぁ流し見しておけばよろしい。
あ、私、ハーマイオニーも好きだけどルーナも好きよ。

ハーマイオニーが着実に美人さんに育っていく一方で、青年というかおっさんになっていくハリーとロンも、ある意味ではシリーズの見どころと言えるかもしれない。

残念なのはヴォルデモート様ね。
あんな宇宙人みたいな顔じゃなくて、闇の貴公子って感じの黒髪長髪美形にしといたら人気出ただろうにねー。
ヴォルデモート役の俳優さん、特殊メイク落としたらイケメンなのよ。もったいない。

ファンタスティックビーストの新作も楽しみね。
姉に「妹がハリー・ポッターを観るとは思わなかった」と言われてそういやなんでだったかな、と思い出してみたら、ニューズウィークの記事がきっかけでした。
新作映画はダンブルドア先生のゲイ愛憎劇のはずなんだけど同性愛関係は描かれないかも? と物議を醸している、という記事でした。
ちなみに「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」はイタリアへ行った時に飛行機で観ましたが、日本語字幕がなかったのでストーリーの詳細はよくわかっていません。



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