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シネマ歌舞伎「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」 [歌舞伎]

めっきり歌舞伎座には行かなくなりましたが、シネマ歌舞伎で「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」を観ました。
お遊びたっぷりの楽しい舞台でした。

染五郎と猿之助の二人が芸達者なのは言うにおよばず、若君と供侍を演じた子役二人が爽やかで可愛らしい。
カジノの支配人・出飛人(デイビッド)を演じる獅童の怪演が印象に残ります。

劇中劇としてやじきたの二人が連獅子を踊るのですが、メイクは間抜けなやじきたのまま、衣裳も紛い物、なのに頭にかぶる獅子の毛と踊り自体は本物、というシュールな絵が何とも言えない。

春猿の女装の艶やかさはさすがの一言に尽きる。


今年も8月歌舞伎でこの二人のやじきたが観られるそうでとても気になりますが、たぶん歌舞伎座には行かないと思います。。。




二人藤娘/日本振袖始 [歌舞伎]

シネマ歌舞伎の「二人藤娘/日本振袖始」を観てきました。

二人藤娘は玉サマと七之助。
華やかですなぁ。
最後、花道を引っ込むところなんか、ため息が出るような美しさ。
そして幕が下りた後に暗い通路を楽屋へ向かう二人の後ろ姿がまた良かった。
こういうのが見られるのは舞台ではなくシネマ歌舞伎ならではですね。
舞台の幕が上がる前に長唄さん(?)たちにご挨拶をするのも知らなかったなぁ。
美しい所作です。

「日本振袖始」は素戔嗚尊の八岐大蛇退治を題材にした舞踊劇。
玉サマ演じる八岐大蛇は岩長姫が鬼になったという設定で、お姫様の姿で現れるのですが、持っている扇子や帯は鬼の役が身につけるもの。表情もどことなく険しい。姫の中に蛇が見え隠れしています。
ヒロイン稲田姫の米吉くんの可愛らしいこと!!
ヒーロー素戔嗚尊の勘九郎の晴れ晴れと凛々しいこと!!
スサノオって本来は父や姉に疎まれてひねくれたキャラのはずなんだけど、勘九郎の素戔嗚尊はまっすぐ育ちましたー!といった感じの貴公子然とした若武者。見ていて気持ちがイイです。

後半、八岐大蛇になってからの玉サマの顔が凄まじい。さすが。藤娘と同じ人とは思えん。
同じ装束の7人を使っての演出が面白い。
8つの頭や、長い蛇体を表現しています。

2100円という料金は一般の映画と比べると高いかもしれないけど、歌舞伎座へ行って舞台を観ることを考えると、お手軽でいいですね。
生の舞台でしか味わえない面白さもあるけどね。






スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース [歌舞伎]

新橋演舞場のワンピースを観てきました。

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以下、演出的なネタバレも含みますので、新鮮な気持ちで観劇したい方はご注意ください。
ちなみに私は「もともと歌舞伎が好きで、ワンピースも一応知っている」という立場でこれを書いています。


観る前に気になっていたのは、ワンピースの世界をそのまま再現するのか、歌舞伎の世界に移植して演じるのか、ということでした。
蜷川歌舞伎はシェイクスピアを歌舞伎の世界にしてみんな着物で演じていたこともあったし。
ワンピースは衣装が多少和風になっている以外はそのまんまワンピースの世界でした。


話の内容は頂上戦争のあたりで、原作を友達に借りて読んでいた私は、話の筋とキャラクターが一応頭に入っていたので、分かりにくいところはなかったです。
説明的なセリフが多いのは仕方ないかな。
よくぞここまで詰め込んで構成したものだと思う。
ワンピースを読んだことがない人にとってはどうだったのかな。
意見を聞いてみたい。


麦わらの一味勢ぞろいはただでさえカッコイイんだけど、この華やかさは白浪五人男の勢ぞろいなんかと通ずるものがあって、歌舞伎と親和性があり、とてもぴったりはまっている。
絵になるねぇ。

春猿の小粋なネーサンぶりがナミにとてもよく合っていてステキです。
巳之助くんのゾロもなかなか雰囲気出ていてイイぞ!
チョッパーの登場は狐忠信の仕掛けを使っていますが、ここはきもちよく騙された方が楽しいですよ。

そして何と言っても隼人君のサンジが、サンジが……めちゃくちゃカッコイイ!!
若手の中では随一のイケメンの隼人くん。
なんなら本物よりカッコイイ。
ほんとカッコイイ。
二枚目役者の大看板に育ってくれることを願います。

巳之助くんはゾロも良かったけど、オカマのボン・クレーを生き生きと演じる姿が実に良かった!
こうして色んな経験を積んで、親父さんを超えるような芸達者な役者になってくれると嬉しいです。

巳之助くんと隼人くんの本水を使った立ち回りは派手で見応えがあった。
座長の猿之助なしでもここまで盛り上げられるんだから、二人とも大したものだなぁ。
もちろん、演出や一緒に立ち回りをしてくれる皆さんのおかげでしょうけれども。

立ち回りといえば、花道をバック転で引っ込んでいく場面があったけど、あれは見事だったなぁ。
下手すれば客席に落っこちて大怪我するような大変な技です。お見事。

本水の立ち回りも派手でしたが、もっとも盛り上がるのはニューカマーランドの皆さんのニューハーフショウさながらのダンスでしょう!
ここに猿之助演じるルフィの斜め宙乗りがあり、クジラの巨大風船も登場して、もう訳のわからない世界。でも楽しい。


白ひげの親父は親分の風格の右近さんにピッタリ! カッコいいぜ、親父!
スーパー歌舞伎のDNAである説教臭さも右近さんならではと言っていいでしょう。
門之助さん演じるおつるさんもカッコよかった。
まあ、この二人はもともとカッコいいキャラではあるけれど。

海軍大将の青雉クザンは大量の紙吹雪とともに宙を旋回します。
すごくいい演出。必見!
一階席のお客さんは紙吹雪にまみれる覚悟でどうぞ。

衣装もそれぞれに工夫を凝らしていて面白いです。
警官の制服を裃にした看守の衣装デザインは秀逸。
制帽まで被っていて、警官にしか見えない。
でも裃!

ナミの花魁風衣装もいい。
私としてはロビンも和服の方が良かったなー。
でもテンガロンハットはやっぱりイイね!
ロビンを見る度に欲しくなるよ。
しかし手に入れたところでどこに被って行けというのか。
しかもディズニーランド以外で売っているのを見たことがないんだけど。。。

猿之助は何役もこなしてさすがの芸達者ぶり。
休憩含めて4時間半以上にもわたる長丁場を、日によっては二回もこなす。
超人だね。


歌舞伎ファンよりはワンピースファンにオススメの舞台と思われます。
あー、でも熱心なファンだとどうなんだろ。
あんなの誰々じゃない! とか思うんだろうか。わからん。

ちなみに子連れが多いかと思ったけど、意外と年配のお客さんばかりでした。
チケット高いからなぁ。子育て世代には厳しいかもしれん。

興味のある方は是非どうぞ。








阿弖流為(アテルイ) [歌舞伎]

新橋演舞場で「阿弖流為」を観てきました。

歌舞伎NEXTと銘打ってはいるものの、私の印象では歌舞伎度30%くらいかな。
元々は劇団新感線のお芝居だったのを歌舞伎にしているので、音楽も照明もロックです。
いつもはお囃子さんがいる下手の御簾内にはドラムの人がいる。たぶんシンセサイザーも。
ああ、録音じゃなくて生演奏だったんだー、と知った。
これはこれでとてもいいと思います。

さて、まずはチラシをご覧あれ。

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どうよ、カッコよくない!?

坂上田村麻呂の勘九郎ちゃんは実に生き生きとお芝居をしていて、観ていて気持ちがいい。
まあ、そういう気持ちのいい男、という役ではあるのだけれども。
たまに表情や声の調子に、親父が乗り移ったかと思う瞬間がある。
勘三郎さんに似て欲しいような気もするし、あまり親父に縛られずに自由にやって欲しい気もする。
どちらにしても、これからもっともっといい役者さんになっていくのだろうな、と思う。

阿弖流為を演じる染五郎は相変わらず芸達者である。
この人を見るたびに、器用だなぁ、ズルいなぁ、と思う。
スカしたポーズがまた絵になるんだ。
ズルいよなぁ。。。
年をとっても無理なく二枚目ができる役者だと思われます。


そして、私がもっともシビれたのは、両花道を使っての染五郎・阿弖流為と勘九郎・田村麻呂の名乗りの場面!
左に田村麻呂、右に阿弖流為。
互いに滔々と名乗りを上げて見得を切る。
ちょーカッコイイ!
めちゃカッコイイ!

やっぱり両花道いいわーー。
自分が舞台の中にいる感じがするんだよね。


お話の方は、大和の朝廷に仕える田村麻呂と、蝦夷の族長・阿弖流為の二人が中心になって進んでいきます。
ここに大和の神である帝と蝦夷の神である荒覇吐神(あらはばきのかみ)という対立軸が絡み、まさに私好みの、「神とは何か、神と人との関係とは」というような話に入り込んでいきます。

荒ぶる神である荒覇吐はもちろん、帝もどことなく禍々しい得体のしれない存在として描かれている。
神なんてのは、そういうものなのかもしれんなぁ。

蝦夷をまとめて敵に対抗することと、日の国を統一して「海の向こうの眠れる獅子」に対処することとの相似形。
遠い未来での日米衝突を暗示させる。
日本は単一民族国家であるという幻想。
日の国とは? 帝とは?

いいねー、いいねー、こういうの好きよ。

といっても、別に堅苦しいお芝居ではなくて、ところどころでギャグが入り、派手な演出もあり、素直に楽しめる舞台です。

劇場入り口で配られたリストバンドが、エンディングで自動的に光り出します。
客席に浮かび上がる蝦夷の星空。
舞台から見たらさぞや美しかろう。

久しぶりの舞台、大満足です。







三津五郎さん、さようなら [歌舞伎]

三津五郎さんがお亡くなりになったとのこと。
最近は歌舞伎から離れていたので、がん闘病中であることを知りませんでした。
急な訃報にびっくりしました。
大変大変残念です。
だってまだ59歳だったのよー。

私にとって三津五郎さんは「踊りの上手な人」。
故勘三郎さんとの棒しばりは本当に最高でした。

ここ数年、スター役者の訃報が多く、とても寂しいです。
若い世代で次々とフレッシュな役者さんが頭角をあらわしているのが救いでしょうか。
それにしたって脂の乗り切った世代に空いてしまった穴は大きいなぁ。。。
玉サマがまたガックリきて引きこもらなければいいけれど。

坂東三津五郎さんのご冥福をお祈りいたします。




十月新橋夜の部 [歌舞伎]

久々に歌舞伎を観に行ってきました。
猿之助奮闘連続公演です。

夜の部は「獨道中五十三驛」で、「市川猿之助十八役早替りならびに宙乗り相勤め申し候」という、まさに猿之助大奮闘の舞台です。
昼の部もこなして、夜もこれだけ動き回って、本当にすごいなーと思います。
芸への想いがハンパない。

猿之助を襲名しているのだから、もちろん先代の路線を踏襲しているのですが、それだけではなくて勘三郎のあの芸達者ぶりも引き継いでいるような気がしますね。
勘九郎・七之助兄弟とともに、若い世代代表としてますます大きく花開いて欲しいと思います。

さて、お芝居の方ですが、大筋はよくあるお家騒動でして、そこに猫の化け物とか、姫君との禁断の恋とか、親の金を工面するため郭に売られる娘とか、弥次喜多珍道中とか、色々ごった煮で面白そうなの全部ぶち込みました、という感じがかえって潔くて好きです。

しばらく観ないうちに米吉くんという可愛らしい女形が育っているし(歌六さんの息子ですか!)、隼人くんはますますイケメンに育ってるし、今回の舞台には出てませんが巳之助くんとか新悟くんなんかもいい味出してるみたいですし、大物の訃報が続いて寂しい歌舞伎界……と思っていたのですが、なんのなんの、楽しみじゃあございませんか!
しかしそれにしたって歌舞伎座のチケットは高すぎるぞ。(今回は新橋だったのでよかったけど)
あれではせっかく若手が育っても、若い観客を呼び込めませんよ~。

さて、お芝居の方に話を戻しまして、澤瀉屋らしいケレンたっぷりの楽しい舞台でした。
海底での立ち回りでは右近さんが舞台上で宙を舞い、猿之助さんは長いアームで客席にせり出してお客さんの頭上すれすれを飛んでいく。
さらに化け猫が空を飛び、本水を使った立ち回りでは客席にも水しぶきがかかる。
これぞ澤瀉屋。理屈抜きで素直に楽しめる舞台でした。


しかし、まあ、なんというか、私は猿之助さんは若手の中では一番好きな役者さんで、その活躍は諸手を挙げて大歓迎なのですが、その……つい数年前までは同じお芝居を主役として演じていた右近さんの心中なんぞを余計なお世話と思いつつも推し量るに、なんとも言えない微妙な気持ちになるわけでして……
それは誰かの悪意とか陰謀とかではなく、そうせざるを得ない様々な要因があるのだろうと推察されるわけですが……
なんとなく、それはそれで切ないなぁ、と思うのでした。
ま、蛇足でしたな。






空ヲ刻ム者 [歌舞伎]

久々にお芝居を観てきました。
スーパー歌舞伎Ⅱ「空ヲ刻ム者」です。
タイトルの字面が好きだ。

良かったですよー。
けれん味たっぷりで、これぞ澤瀉屋! といった感じの派手な舞台でした。
そして説教臭さも健在。
これはいいのか悪いのか。。。

亀ちゃん……じゃなくて四代目猿之助はますます脂がのってきましたねー。
この人の、どんなお芝居にも手を抜かない真面目な姿勢が大好きです。
他の観客の皆さんも、帰り道で口々に「すばらしかったわね」と褒めていましたよ。
先代を凌ぐような大役者になって一時代を築いてくれることを期待します!

佐々木蔵之介さんは舞台もドラマも見たことがなく、どことなく女性っぽい二枚目俳優、という認識しかなかったのですが、舞台の上の彼はえらいかっこよかったです。
歌舞伎っちゅーのは、元がたいしてイイ男じゃなくても、二枚目の衣装・化粧で、二枚目っぽい所作で、二枚目っぽいセリフを吐けば、なんだか二枚目に見えてくるという不思議な魔力があるのですが、元が二枚目でスラっとした人がやるとますますカッコイイのですなぁ。
当たり前のことを改めて再認識。
しかし蔵之介さんは歌舞伎の人ではないので、セリフ回しなどは基本的に現代劇風です。
それが歌舞伎役者たちとうまい具合に絡み合って面白いハーモニーを生み出していました。

終盤の二人宙乗りから大立ち回りにかけて、これぞ澤瀉屋ワールド! といった感じで大満足。
宙乗りは、すっかり慣れた猿之助さんと、まだおっかなびっくり感と羞恥心がそこはかとなくにじみ出る蔵之介さんの対比が面白かったり。
高所恐怖症だったら大変だよね、アレ。

立ち回りの中の戸板倒し(向かい合った二枚の戸板の上に一枚の戸板を渡してその上に立ち、黒子が手を離した後、重心を移してゆっくりと横へ倒れて地上に降りる)は古典でも使われる技術だけど、それの逆バージョンで、戸板を使って1階から2階へ飛び上がるアレは初めて見たのですが、あれってスーパー歌舞伎オリジナルなのかしら。
あれすごいわー。
下で戸板を立ち上げる人々と、飛び上がる猿之助との息がピッタリ合ってないとできないよねぇ。

この話は天才仏師が主人公(おそらく円空のイメージがかなり入っているのではないかと。境遇はまったく違うけど)なので、仏とは何か、運命とは何か、人間とは何か、という抹香臭い話が度々出てきます。
そして最終的に主人公は「仏像とは見る人の心を写す鏡である」という結論に至るわけですが、さながらその仏像のように、セリフの一つ一つが、聞く人の心にその人なりの意味で響いてくるお芝居だと思いました。
登場人物たちが迷い、苦しむ中で発する人生に対する問いは、観客の一人ひとりの胸の中にある悩みや迷いとそれぞれに共鳴するはず。
感動する部分、はっとする部分はおそらく人によって違うことでしょう。

単純に楽しむこともできるし、深く感じることもできる、そんな舞台です。




七月歌舞伎座 夜の部 [歌舞伎]

歌舞伎座で四谷怪談を見てきました。

正直、ここのところ歌舞伎を見ても「うーん…」という感じだったのですが、
私の歌舞伎好きの原点に戻れたような気がして、やっぱり歌舞伎はいいなぁ!と思えたのでした。

フレッシュな二人の伊右衛門とお岩もなかなかよかったのですが、
やっぱりね、何がいいって、本がいいよね。
日本の幽霊と言ったらお岩さん、というくらい浸透している四谷怪談。
ものすごく洗練された物語だと思う。

伊右衛門は本当にどうしようもなく悪い奴なんだけど、なぜか魅力的。
お岩さんは父の敵を討って欲しいがために一緒にいるということになっているけれど、
きっとアレだよ、ダメ男と別れられないイイ女のパターンよ。
今も昔も変わらないねぇ。

舞台的にも、早替わりや提灯抜けなどケレン味たっぷりで、歌舞伎を観た~って満足感がある。
夏の歌舞伎座で四谷怪談、いいですよ。




二月新橋演舞場昼の部 [歌舞伎]

新橋で勘九郎襲名披露公演を観てきました。
土蜘蛛が観たかったから昼の部を選択。

鳴神はあのおおらかなエロさが好きです。

土蜘蛛は途中の吉右衛門、仁左衛門、勘三郎の三人で踊るところが襲名らしい豪華さで良かったです。
この三人が並ぶとこって滅多に見られないよねぇ。

河内山はね、仁左衛門さんは大好きだけど、話そのものはそれほど好きじゃないの。
途中であきちゃった。
最後のばーかめーー!で目が覚めた。

えーっと、正直に忌憚のない感想を述べますと、襲名の割には退屈な公演だったなー、と。
でもそれは舞台の良し悪しの問題ではないのかもしれない。
これを観に行く直前にものすっごく気持ちのふさぐことがあって、舞台を観ながらそのことをずーっと考えていたから心ここにあらずだったのよね。
だから観る側の心の問題というのが大きいかもしれない。
でもさー、ホントにいい舞台って、そんな嫌なことなんて(少なくともその空間にいる間は)忘れちゃうようなエネルギーを持っている訳ですよ。
残念ながらそれはなかったね。

別に記事にしなくてもよかったんだけど、とりあえず観に行ったという事実を記録しておくために書きました。
こういうの書いとくと後で重宝すんのよ。私が。




九月新橋演舞場夜の部 [歌舞伎]

新橋演舞場で夜の部を観てきました。
新・又五郎さん、新・歌昇さん、襲名おめでとうございます!

「沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)」
大阪夏の陣、落城の迫る大阪城での一幕。
冒頭、若い男の子の生尻(白塗り)が見られます。
そういうの好きな人は見に行くといいでしょう。

かつて権勢を誇った天下人秀吉の側室にしてお世継ぎの母である淀君。ところが今や状況は一変し、今では家康の軍勢に城を取り囲まれ降参を迫られている。人質の千姫にも逃げられた。
こんな状況、気位の高い淀君には耐えられません。口惜しさのあまり、彼女は心を失って狂気へ走る。
この舞台の見所は、追い詰められた淀君の狂気と悲哀です(たぶん)。
笑う場面ではありません。
ところが隣のおっさん、なぜかここで「ふふふ・・・」と笑う。
興醒め。興醒めでござる!やめてくれ!
たしかに淀君の福助さんはエキセントリックな女性を演じて笑いを誘うのが上手いけれど、これはそういう役じゃないでしょ!まったくもう・・・

「車引」
歌舞伎の様式美を堪能できる舞台です。大好き。
松王、梅王、桜丸が揃うとやっぱり絵的に綺麗だよね。
歌六さんは時平みたいな、魔物がかった悪の大物をやらせたら当代随一だと思う。
あの低音の声が悪そうでいいんだよねー。
新又五郎さんの梅王、吉右衛門パパの松王もかっこ良かったぜ!
・・・だから、三つ子が上の着物の肩を脱いで中の鮮やかな衣装を見せる場面でいちいち笑うのやめてくれってば、隣のおっさん!なんでそこで笑うのか分からん!

「石川五右衛門」
宙乗りは久しぶりに見たけど、やっぱり派手で見映えがするねぇ。いいねえ。
大きなつづらに入っていた染五郎の五右衛門がかぱっと開いたつづらから現れて宙に舞う。
いいねえ、盛り上がるねぇ。ケレン味たっぷり。よ、高麗屋!


隣のおっさんは終始、ツボの分からぬ場面で「くくく・・・」「ふふふ・・・」と笑っていた。
芝居を見てどう思うかは人それぞれでいいと思うけど、頼むから心の中だけで思って欲しい。
こういう人が近くにいると気が散って楽しめないんだよう。たのむよう。
このおっさんは夫婦で来ていたのですが、隣の奥さんもたまに同じタイミングで同じように笑う。
私にはさっぱりツボの分からないタイミングながら、夫婦のツボはそれなりに合っているらしい。
あ、念のため言っておきますが、私のツボがずれてるんじゃないからね!だって他に誰も笑ってないもん!
夫婦はだんだん顔が似てくると言うけれど、一番似てるのって笑った時の顔だと思う。
同じように笑う熟年夫婦って結構いるよね。
笑いが一番共感力があるんだなーと思う。
激しくストレスを感じながらも、長年連れ添った夫婦とはこういうことなのだな、としみじみ思ったのでした。