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アルチンボルド展 [美術館/博物館]

国立西洋美術館で開催中の「アルチンボルド展」に行ってきました。

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みどころはやっぱり「四季」シリーズと「四大元素」シリーズでしょうか。
肖像画を構成するパーツの花や果物があまりにも自然で写実的なので、近くでみると構成要素の一つ一つの方を脳が認識してしまってあまり顔に見えない。
少し遠くから見るとたしかに顔に見える。
顔に見える、というだけでなく、おそらくモデルに似ているはずで、それが本当にすごいと思います。
遠近で二度おいしい。超絶技巧です。

私が肖像画を描いてもらうとしたら「春」みたいにお花いっぱいで描いて欲しいな。
余談ですが、「春」はオッサンだと思っていたら女性だそうです。失礼しました。

職業シリーズも面白い。
上下逆さにすると見えるものが違う、という絵は横にコピーのパネルがあって分かりやすくてよかったけど、できることならば自分で逆さにしてみたいね。

点数が比較的少なく、それほど混んでいなかったということもあって、1時間くらいでさらっと観終わりました。

なんというか、最近は印刷の技術やデジタルの技術が向上していて、本物にかなり近いものを簡単に見られるようになったためか、実際に現物を前にした時の驚きのようなものが薄れてしまっている気がします。
もちろん、本物が持つ迫力というものはあって、生で見ることの価値は何も変わってはいないのだけれど、コピーの方がぐんぐんと本物に迫っているように感じます。

それを言ったら、そもそも私たちが「見ている」と思っているすべてのものは、目が拾った光の情報を脳が再構築して見せているものであって、実際の世界そのものではないわけで、「本物」とはなにか、とか考え始めるとよくわからなくなってきます。

まあ、それはともかく。
展示室に入る前に、あなたの顔をアルチンボルドの寄せ絵にしますコーナー、がありました。
モニターの前に立つと、カメラがあなたの顔を認識してアルチンボルド風の肖像画を作ってくれます。
これ、すごく面白い!
多少並ぶと思いますが、待っている間も他のお客さんたちの肖像画ができていく様子を見ているのも楽しいので、是非やってみてください。
おすすめ。

ちなみにアルチンボルド風若隠居さんはこちら。

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似てる? かも?



ミュシャ展 [美術館/博物館]

風邪ひいてるし、もとより体力はないし、三つは無理だよなぁ、場所も離れているしなぁ、と半分あきらめていたのですが、お昼に飲んだロキソニンが妙な効き方をしたのか、まだまだ元気が残っていたので新国立美術館まで足を延ばしてみました。
ロキソニンって痛み止め以外になんか「げへへ……」ってなるような成分入ってないでしょうね、大丈夫でしょうね。

お目当ては草間彌生ではなくてミュシャです。
当日券を買うだけでも結構並ぶので、事前のインターネット購入がおすすめです。

私にとってミュシャは「ああ、はいはい、綺麗だよね。みんな好きだよね」という感じで、特別興味はなかったのですが、メイン展示の「スラヴ叙事詩」はチェコ国外では滅多に見られない超大作ということで、なんだかやたら評判もいいし、じゃあ行ってみっぺ、という程度でした。
思いがけず、これが実に素晴らしかった!

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「スラヴ叙事詩」は天井まで届くほどの巨大な絵が全20枚という超大作です。
ミュシャ特有の淡い色使いとスタイリッシュな構図。
それが20枚揃うというド迫力。

中でも私はやはりチラシにも使われている始まりの1枚が印象的だった。
左隅にうずくまる男女の、特に女性のまっすぐこちらを見つめる怯えた表情から目が離せません。

幻想的な雰囲気のこの絵も好き。
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会場内は大変混雑していますが、とても巨大な絵で展示室も広いので、人がいて見えない、ということはありません。
むしろ近くに寄ると全体が見えないので、みんな少し離れて鑑賞しています。

そして全20枚のうち、4枚は写真撮影OKという大盤振る舞い!
素人が旧型のiPhoneで撮った写真よりもプロが撮った写真の方が断然きれいじゃん、ムダムダ、とかクールを気取ってみたものの、やっぱりせっかくだから、といそいそとスマホを取り出す小市民なワタクシ。

でもね、人がいっぱいいるし、絵がデカすぎるし、まあこんな感じですよ。

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余談ですが、20枚の中のひとつに娼館を修道院に改装するという場面があって、聖人の偉業を称える絵らしいのですが、その説明の中で「娼婦たちがこれまでの行いを悔い改めて……」とかなんとかいうくだりがあって、娼婦たちだって好きでそんな商売してたわけでもなかろうし、悔い改めるとか余計なお世話だよなぁ、と思ってしまった。


さて、「スラヴ叙事詩」の後は、これぞミュシャって感じのリトグラフ作品などの展示が続き、こちらもとても充実しています。

「4つの花」と「四芸術」は本当にうっとりする美しさ。
帰ってからネットで画像検索したけど、やっぱり実物のリトグラフの色合いとは違うんだなぁ。
それぞれ4人の女性が描かれた4つの絵で構成されていて、この中のどれかになれるとしたらどの女性になるか、と考えてみた。
花の方はバラとアイリスと迷いに迷って、途中でユリも捨てがたくなって、今この瞬間に選ぶとしたらアイリスかなぁ、という感じ。会場ではバラだった。
「四芸術」の方は迷うことなく「音楽」です。

「クオ・ヴァディス」は四辺の装飾がすごい。緑がかった色合いもきれい。

隻眼の英雄、ヤン・ジシュカは2枚の絵に登場するのですが、片方は右の眼にアイパッチ、もう片方は左の眼にアイパッチ。
構図の関係で左右違うのでしょうか。
どっちにしてもカッコイイ。

プラハ市民会館の市長の間を飾る絵の中で「警護-ホットの人々」のこっち見てる感がいい。
ところで、この「ホット」ってどういう意味なんでしょうね?
温かいってことではないと思うんだけど。


グッズも魅力的なものが多くてポストカードとか一筆箋とか欲しかったのですが、レジ待ちの行列がすごくてあきらめました。

とりあえず行ってみるべぇ、が結局3時間以上会場に居座る結果となった。
なにごともそういうものよね。


帰りがけに草間彌生展の撮影OKな屋外展示を「草間彌生展さいこーでした!」みたいな顔して撮って帰りました。

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雪村-奇想の誕生 [美術館/博物館]

都美術館のレストランで1000円のだし茶漬けを食べて一休みした後、引き続き藝大美術館で開催中の「雪村-奇想の誕生」へ。

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最大の目玉作品のこれ↑が会期前半で帰ってしまったせいか、思った以上に人が少なかった。
そしてはっきり言って地味だった。
いやまあ、水墨画とか山水画とかはそもそも地味なものなんですけれども……

一見、虎と戦っているようで、実は虎と遊んでいる鐘馗さまの絵が微笑ましくていい。
後で確認したら、地元の県立美術館の収蔵品であった。
行ったことないけど。

こちらに背中を向けて、二人の童子にじゃれつかれながら、よっこいしょと大きな袋を担ぎ上げようとしている布袋さまの絵も可愛らしくてよかったなぁ。
思わず笑顔になります。

雪村に私淑したと言われる尾形光琳の馬上布袋図もいい。
すっぱだかで馬に乗ってニコニコと両腕を広げて駆けて行く布袋さま。
フリーダーーム!!
布袋としての役割も体裁も脱ぎ捨てて、布袋さまはどこへ向かうのでしょうか。
なんとも清々しい気持ちになります。

以上、あっさり終わった雪村展でした。



ブリューゲル「バベルの塔」展 [美術館/博物館]

風邪をひいてゴホゴホやりながらもマスクを装着して美術館3つはしごしてきました。

まずはこちら。

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ブリューゲルの「バベルの塔」です。

最初に展示されている木彫りの聖人像は、衣の質感にハリがあるのが日本の仏像とは違った雰囲気で面白いと思った。
仏像の衣は柔らかさと軽やかさを重視しているようだけれど、この聖人像たちはハリと重厚さを重視している様子。
それぞれに趣があっていいね。

聖カタリナの絵が何枚かあって、どんな人か私はよう知らんのだけれども、女性の聖人で、片手に剣を持って本を読んでいる姿で描かれる。
美しい女性と本と剣という組み合わせがなんともカッコイイ。
特に「枝葉の刺繍の画家」と呼ばれる作者不詳の作品は、緻密に描き込まれた衣装の生地の煌めきが実にすばらしい。
ちなみにセットで描かれる聖バルバラは棕櫚の葉を持っています。

目玉作品のひとつ、ボスの「聖クリストフォロス」は細かなモチーフのひとつひとつがミステリアスで面白い。
実物に顔を近づけてよく見る、ということはできないので、こういうのは図録とかを買ってじっくり見るのがいいのかもしれない。
買わなかったけど。

メインの「バベルの塔」はちっちゃい。
わかってはいたけれどもやっぱりちっちゃい。
ちっちゃいうえにものすごく細密に描かれているので、人だかりだし、遠いし、はっきり言ってよくわからない。
これも本当はべったりと顔を近づけて見たいものだがそれは叶わない。

ちっちゃな実物を見て「ははあ、これか」と気が済んだら、お隣にある映像資料コーナーで3DCGの映像を見ると見どころがよく分かります。
仕上げに実物の斜め後ろに展示されている拡大複製画で細部を確認しましょう。
とてもよくできています。

それと、バベルの塔へ行く前に現れる、塔の部分を拡大プリントした曲面パネルがすごく雰囲気があってよかった。
いよいよバベルだぜ、という期待が高まるし、なんだか自分が絵の中に入り込んだような気分になってとてもいいです。

最後に「バベルの塔」展が熱烈に推しているキモゆるキャラのタラ夫の着ぐるみ(?)をどうぞ。

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快慶 日本人を魅了した仏のかたち [美術館/博物館]

旅行かたがた、奈良国立博物館で開催中の快慶展へ行ってきました。

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ひたすら仏像が並ぶ、ファンにはたまらない展示です。
気になったものをいくつかご紹介。

「深沙大将立像」
同じ快慶作で、金剛院のものと金剛峯寺の二つがありました。
金剛院の方が小ぶりでややおとなしめ。
筋肉隆々、小粒ですきっぱ気味の歯をむき出しにしている。
腿から膝にかけて両足に象がいて、金剛峯寺の方はさらに髑髏のネックレス、左腕に蛇が巻き付き、腹には人面瘡(?)。
異形の仏様です。
西遊記に出てきたような気もします。

阿弥陀如来立像とセットの菩薩面はかつての使われ方が面白い。
阿弥陀様を台車に載せて、菩薩面を被った人々が従って練り歩いたのだとか。
来迎行列?
なんつーか、こう、日本人ってそういうの好きだよね、という感じがして面白い。

東大寺の地蔵菩薩立像はとてもとても美しいお地蔵様です。
端正なお顔、流れるような衣の曲線、信じられないほど細密な斜めの格子模様。
イケメンというか、美形です。
麗しの仏。

同じく東大寺の「西大門勅額付属八天王像」は仁王と四天王がいかついのに対して、梵天&帝釈天はとても柔和でまるで天女のよう。
装飾もキラキラです。

最後の「第7章 安阿弥様の追求」がわかりやすくて面白かった。
快慶作の阿弥陀様は、無位時代、法橋時代、法眼時代で衣のたるみの表現が違っているらしい。
実際にそれぞれの時代の阿弥陀如来立像が並べられていてとても分かりやすかった。
こういうのは博物館での展示ならではの面白さですね。


ところで、こんなスタンプラリーが開催されてましてね。
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快慶展、阿修羅展は制覇して、残るは上野の運慶展。
これはもう絶対行くので、完全制覇間違いなし!
問題は秋までこの紙をなくさずに持っていられるかどうかです。。。
プレゼントが欲しいというよりは、スタンプを3つ揃えて達成感を味わいたい。
秋の運慶展も楽しみです。



これぞ暁斎! [美術館/博物館]

ラグビーの後は渋谷へ移動してBunkamuraで開催中の「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」展を観てきました。

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世界に認めてもらわないと自国の文化に自信を持てない日本人の精神が云々……という話はまあここではいたすまい。

土曜日の4時頃の入館で、それなりに人はいますが大混雑というほどでもない。
ただ、版画作品など小品が多いので、近くでじっくり見ようと思うと少し待たなければいけません。
私は遠くから眺めて興味を惹かれなければあっさりあきらめます。

猫やカエルを擬人化したユーモラスな作品が可愛い。
河童が「SHIRICOTAMA」なんてお勉強している化々学校などなど戯画がたくさん。

私のお気に入りは鐘馗さまシリーズ。
鐘馗さまはお酒が大好きでおっかない顔をした道教の神様です。
玄宗皇帝の病の原因である鬼を退治したとかなんとか。
そんなわけで鬼退治の姿として描かれることが多いですが、中でもとびきりステキなのがこちらの「鬼を蹴り上げる鍾馗」の絵です。
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蹴り上げる勢いで浮き上がる衣服の流れといい、掛け軸の高さいっぱいに宙に浮く子鬼の「きゃーん」と泣いていそうな格好といい、ユーモラスでリズム感があってカワイイ。
迷わずポストカードを買いました。

一部春画コーナーもあって面白かった。
誇張していてコミカルではあるのだけれど、おおらかなエロさがいい。

子供連れに配慮して看板が立ててあったけど、実際に親が「ここは飛ばしましょう」と言う時になんと説明するのだろうなぁ、とちょっと気になった。
「まだ早いからね」とか「ここは大人向けだから」とか言うんだろうけど、子供はそれで納得するのだろうか。
余計見たくなるのが子供心というものだ。
ここはなにかとんちをきかせたいところだけれど、私には何も思い浮かばない。

暁斎暁斎、すべて暁斎。
楽しい展示でした。



禅と秘仏 [美術館/博物館]

上野の国立博物館へ行ってきました。

まずは「禅 -心をかたちに-」から。

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いきなり白隠禅師の巨大な達磨さんがお迎えです。チラシにもなっているコレ↑ですね。
それではいざ、禅の世界へ。
気になったものをご紹介していきましょう。

まずは禅の高僧たちの肖像や由来の品々が並びます。
はじめは適当に流していたのですが、説明パネルの一番上にそれぞれキャッチフレーズがついていることに途中で気付いた。
例えば「約翁徳検像」には「75歳とは思えないふくよかさ」とある。
説明パネルの本文は真面目な優等生風なんだけど、キャッチフレーズはちょっとユーモアがあって楽しい。
しかしあまり説明パネルばかりを熱心に読んでいると本体がおろそかになってしまうおそれがあり、気をつけなくてはいけない。
やはり前知識のないまっさらな状態でまずは展示品を見て、それから説明を見るのがよろしかろう。
でもついパネル見ちゃうんだけどね。
キャッチフレーズは肖像だけでなく全展示についていて、私が知る限りではおそらく初めての試みではないかと思う。
なかなかいいぞー。

「愚中周及像」
節くれだった材木で作った質素な椅子に座っていて、靴も藁編みと思われる。
坊さんの肖像画は払子などを持って澄まして座っているのが基本だけれど、この坊さんは右手を頭の上に置いた異色のポーズ。
出世に興味がなかったというお人柄がうかがえます。

「一休宗純像」
パネルのキャッチフレーズは「ハンサムで、ちょいワル?」。
たしかに、イケメン。
座っている椅子には朱色の長い太刀が立てかけられていて、右足を膝の上に乗せてちょいワル風。
これで天皇のお胤だもの。
モテたよね!

「隠元・木庵・即非像」
坊さん三人の図なのですが、キャッチフレーズにもあるとおり、西洋画の人物のよう。
三人とも正面を向いた全身像で、両脇の二人を少し下げた配置も、鮮やかな彩色も、まるでキリスト教の聖人画のようです。

「達磨像」 白隠筆
ほぼ全部顔の達磨さん。なんだかこの達磨さんを見ているとピアスをしなくてはいけない気がしてくるから不思議。

「達磨像(どふ見ても)」 白隠筆
説明文ともどもご鑑賞ください。
「どう見ても達磨」なのか「どう見てもいいよ」なのか。
白隠さんて面白いなぁ。

「乞食大燈像」 白隠筆
この絵がどうというよりも、瓜についての問答で帝からの使者に正体がばれちゃった、というエピソードが面白い。正体がバレるってなんかいいよね、憧れる!
残念なのは私には隠すほどの身分もないということだ。

「十大弟子立像」
50cmくらいの高さの十大弟子像がぐるりと円形に配置されています。
それぞれに表情やポーズが違っていて何周しても飽きない。
アナンは合掌した直立ポーズでいかにも優等生風。
スボダイはかがんで靴を履いている変わったポーズが目を引く。
カセンネンは杖の頭に両手を重ねてちょっとのけぞるようにして左を振り返るポーズが素晴らしい。

「伽藍神立像」
風を切って走る使者の神。
服のたなびく感じがいい。パーツが丸くて小動物っぽい顔もカワイイ。
チラシにもちっちゃく入っています。

「十八羅漢坐像のうち羅怙羅尊者」
胸から仏様の顔が覗いてます。
チラシのアレね。

「韋駄天立像」
10年?以上?前に萬福寺へ行ったときに見たような、その時にはなかったような……?
イケメンです。
古代中国の武人風の衣装も素敵です。
浮き上がる天衣が雰囲気あっていいなぁ。

「油滴天目」
これは美しい!
私は器にはほどんど興味がないけれど、これはうっとりする美しさ!
黒地に雫のような銀の模様が散っています。
うーん、美しい。。。

「四睡図」
豊干禅師と寒山、拾得、トラが子供のようにひとかたまりになって寝ている図。
かわいい。

「大仙院方丈障壁画のうち瀟湘八景図」
目に見えないはずの「大気」を感じる不思議な襖絵。

「天授庵方丈障壁画のうち祖師図」
首根っこを掴まれて絶体絶命の猫の表情にご注目。
ニャー。

見応えたっぷりのいい展示でした。

そうそう、休憩所にはこんな顔はめパネルも用意されています。

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わー、やりたい!
顔はめやりたい!
これで私も一瞬にして仏になれる!

しかし見ず知らずの人に頼んでまで写真を撮る勇気はありませんでした。


お昼を食べた後、続いては「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」へ。

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いきなり正面に5メートルを超える観音様がお出迎えです。
デカいなぁ。。。
これで秘仏だもんなぁ。。。
(大きさは関係ありません)
正面から見上げた時の「見られてる感」がたまりません。

今の基準で見ると「ブサイク」なんじゃないかと思われる吉祥天とか。
浅く彫ったタレ目がヘタウマな感じで愛嬌がある観音様とか。
両腕を失って細長さが際立ち、一番上の顔しかないトーテムポールのような観音様とか。
味のある仏様がたくさんいらっしゃいました。

一室のみの展示なのであっという間に見終ります。

観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」も良かったし、滋賀は仏像の宝庫だなぁ。羨ましいなぁ。


その後、マルイで洋服を大量に買って帰りました。
いい一日であった。


画廊で絵を買うということ [美術館/博物館]

丸善・日本橋店で開催されていた「熊谷守一版画展」に行ってきました。

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版画展、というよりは、展示即売会といったほうが正しい。
1600円のニットを着たぱっとしない女にも営業してくれる。
買う気はさらさらないけれど、有名画家の絵を販売する場というのが私にとっては珍しく、ど素人にとっては初めて知ることが多くて面白かった。

版画の周りの白い部分に鉛筆で数字が書いてあって、それはなんなのかと不思議に思っていたのだけれど、どうやらサインをした順番に数字を振っているらしい。
たとえば 15/100 だとすると、100枚刷った中で15番目にサインをしたということになる。
1とか8とか55とか、珍しかったり縁起のいい数字だと高くなる。
余白の紙の白さにも注目で、保存状態を示しているので値段に反映されるとのこと。

版画なので肉筆画よりは安いとはいえ、高いものは100万円以上する。
モノクロの簡単な版画だと10万円代からあったように記憶するが、なんせ熊谷守一なので孫の落書きにしか見えない。

どれか一枚買うとしたらどれにするかと考えて、これに決めました。

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「熊蜂」

お値段、108万円也。

もちろん買う気なんてこれっぽっちもないけれど、だんだんと買ってもいいような気がしてくるから不思議。
貯金をはたけば買えなくもない金額というのがまた危険。
資産として持っていてもいいんじゃないかと思えるのも危険。
100万円の芸術品をさりげなく飾っているなんてちょっとステキ。

でも買わない。

ちょっとだけ裕福な愛好家気分を味わえました。



白楼之夢 [美術館/博物館]

足立美術館、出雲大社、鳥取砂丘、姫路城、倉敷を巡る旅行をしてきました。
が、ツアー参加のため全体的に印象が薄いうえ、鳥取砂丘と姫路城以外は2年前に行ったばっかり、という刺激の少ない旅だったため、ほとんど書くことがありません。

ということで、旅行記ではなく、足立美術館で鑑賞した絵の話をしたいと思います。

今回、足立美術館で一番気になった絵は横山大観の「白楼之夢」という掛け軸でした。
2年前に行ったときには展示されていなかったのか、気に留めなかったのか、記憶にない。

霞の向こうに白い楼閣が垣間見える構図で、ベランダのようなところには、衣類か何かが置かれたままの椅子が置いてあって、誰かがついさっきまで座っていたような雰囲気がある。でも、人の姿はない。
まるで遠野物語の迷い家のような、この世ならぬ空気が漂っている。
説明書きを読むと、白楼は中国の詩人が死後に行く理想の場所と考えられていたとのこと。(うろおぼえ)
ううー、イイ。この怪しげな雰囲気たまらない。

インターネットでどんなに検索してもまるでヒットしないのがまた不思議。
私はホントにあの絵を見たのかしら?

その他に気になったのは、現代絵画の二つ。
一つは、朽ちた倉庫か何かの扉が開いている絵。赤く錆びついて蔦の絡んだ扉が大きく開いていて、暗い空間のその向こうに、小さく窓が開いていて明かりがさしている。
この扉からあの窓の向こうへ行ったら、どこへ行っちゃうんだろう、とゾクッとする感じがいい。
「千と千尋の神隠し」で迷い込む街の入り口みたい。

もう一つは街の上に緑色の空が広がっていて仏様が浮かんでいる絵。
作者はベトナムの平和を願って描いたらしいが、これもやっぱり「あの世」感がたまらない。

どうやら私は「あっち」へ行ってしまいそうな絵が好きらしい。

整体師の片山洋次郎によると、こういう「非日常」とか「祝祭空間」が好きなタイプは6種体癖と呼ばれるものらしくて、こういう人はかつてのオウム信者に多かったらしい。
ああー、わかるー。
私、うっかりするとあっち行っちゃいそうだもの。
気をつけようっと。



観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち- [美術館/博物館]

引き続き、藝大美術館で開催中の「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」へ。

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以下、公式サイトより引用。

「長浜市には、130を超える観音をはじめとするたくさんの仏像が伝わり、古くは奈良・平安時代に遡るものも多くあります。これらの仏像は、大きな寺社に守られてきたのではありません。地域の暮らしに根付き、そこに住む人々の信仰や生活、地域の風土などと深く結び付きながら、今なお大切にひそやかに守り継がれています。」

何室にもまたがる大規模な展示ではないのですが、大きな開けた空間に数十体の仏様が立ち並ぶ姿は実に壮観です。
入った途端にちょっと圧倒されます。
ここは仏像パラダイスか!?
おら、パライソさ行くだー!

失礼、少々錯乱いたしました。

いずれの仏様も、長いこと市井の人々の信仰を受け止めてきたのだろうな、と思わせる風情で佇んでおられます。

気になったものをいくつかピックアップしてご紹介。

観音寺の伝千手観音立像は、切れ長の目をした大変なイケメン。
観音様でここまできりっとしたお顔はなかなかない気がする。

長浜城歴史博物館蔵の聖観音菩薩立像は、なんかこういう顔の人いるよなー、いるいる、あー、いるんだよ、としばし考えて、ふとひらめいた。
そう、横綱白鵬に似ている。

善隆寺の十一面観音像はとても端正なお顔をされています。

洞寿院の観音菩薩立像は異色のホトケさま。
どことなく南洋の香りがする顔つきと色彩。光背もなにやら南洋のボートを思わせる装飾。
いうなれば、坂田靖子が描くところの、タヌキが化けた仏像のような顔をしている。
こういう趣のホトケさまは初めて見たなぁ、と思いながら説明書きを見ると、なんと33年に一度だけ開帳される秘仏とのこと!
え、これで!?(失礼)
いえいえ、とても温かみのあるホトケさまで、私はすごく親しみを感じましたよ。

国安自治会の十一面観音菩薩立像はかなりのふっくら顔。
仏像は基本的にふっくら顔だけど、その中でもふっくら度が高い。

徳円寺の馬頭観音立像は足元にご注目です。
なんと足の裏をこちらに向けて踵で立っておられます。
踵で立ってはいるのだけれども、体は直立。
どうなってんだ!?
ホトケの奇跡を体現する稀有なお姿です。

正妙寺の千手千足観音立像もまた私にとっては珍しい。
脇足が左右各19本ついている。
千手観音はよく見るけれど、足まで千本は見たことがない。
千手観音は千本の手であまねく衆生を救済してくださるということだけれど、このホトケさまはおそらく千本の足であまねく穢土を巡って衆生を救ってくださるのでしょう。
ありがたや~。

宝厳寺の弁財天坐像は八臂のお姿。
私にとっては八臂の弁天様は珍しいんだけれども、かの有名な江の島の弁天様も八臂なのね。
失礼いたしました。

菅浦与大浦下庄堺絵図は、この絵自体がどうこうということはないのだけれど、日本の古地図ってのはぐるぐると回してみることを前提にしているのだよなぁ、と改めて思ったのでした。
説明書きの文字が必ずしも北を上にしているわけではなくて、右向いてたり左向いてたり下向いてたりするのよね。
以前、女脳は地図をグルグル回さないと理解できないとかなんとかいう話があったけれど、昔の日本人はみんな女脳だったということなのか?
そんなわけあるかい。

閑話休題。

浄光寺の十一面観音立像、薬師如来立像、阿弥陀如来立像の三体のホトケさまは、こういっちゃなんだけど、やる気のなさそうなぼんやりしたお顔をされています。
こういう顔のオジサン、会社に一人はいるよなぁ、と思わせる。

安念寺の如来型立像はちょっと異様な迫力のあるホトケさま。
前面がほとんど原形をとどめないほどに朽ちています。
焼き討ちを逃れるためにお寺の前の田んぼに埋められていたためにこのようなお姿になったのだとか。
爛れたようにも見えるそのお姿は、疱瘡の身替り観音としても信仰を集めていたとのこと。
ここ安念寺には同じような朽損物ばかり17体安置されているそうです。
朽ち果てたそのお姿に、自身の身をなげうって衆生を救おうとしてくださる仏の慈悲を見た先人の想いが伝わってくる気がいたします。
じっと見ていると優しい仏様のお顔が浮かんでくるそうですよ。
別名、いも観音。
田舎者にとって親しみを感じさせるそのお名前もいい。

良いものを拝見させていただきました。

長浜市の観光PRも兼ねているため、パンフレットなどが挟まれたこんなステキなクリアファイルが貰えてお得感たっぷり。

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平櫛田中展も合わせて見られます。
こちらもなかなか面白かったですよ。


お次は銀座で開催中のツール・ド・フランスさいたまクリテリウムカフェです。
それはまた別記事にて。



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