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さよなら愛しの裁判官 [裁判傍聴]

今日はひっさびさに東京地裁へ行って参りました。

続けて傍聴していた集団強姦の判決を聞く。
実際に強姦した被告人は懲役4年。
強姦はしてないけどその場にいて協力した被告人は懲役3年。
いずれも初犯で実刑です。

被害者にしてみたら3年や4年では軽すぎると感じるだろう。
被告人にしてみたらお先真っ暗だと感じるだろう。
どっちにしたって、犯罪が起こって裁判が開かれて、幸せになれる人なんていないんだよなぁ。

私のお気に入りの裁判官は結局最後まで一言も喋らなかった。
残念!非常に残念!
私、来月から働き始めるからもう傍聴に行かれないんです!
これで見納めかもしれません!
お元気で〜〜〜!!!
と、涙にむせびながら、去って行く黒い背中を見送りました。
また会えるといい。

判決の合間に地下のカフェで「無職小川の会」を開催。
本日の課題本は田山花袋の「蒲団」です。

つまらない、気持ち悪い、へたくそ。
と、散々です。

この小説に関して語ることはあまりなく、それぞれ小説に求めるものなどを語り合う。
私は小説に現実逃避を求める。
友達は小説にリアリティと哲学を求める。
私たちはあらゆる面において好みがまったく違う。
あ、でもお気に入りの裁判官は一緒だ。
あの裁判官はもしかしてすべての人に普遍的に愛される裁判官なのだろうか!?

裁判所を出た後はファーストキッチンでまたしばらく語り合う。
やっぱり宗教の話が中心。
不可知論と無神論と宇宙。
宗教を持っている人間の方が強いと思うけど、今更なにかの宗教にはまるのは怖い。


おべんと持って裁判所へ行こう [裁判傍聴]

今日は午前中から東京地裁へ。

以前に傍聴した準強制わいせつの判決を聞く。
鍼灸師が施術中に女子高校生に対してわいせつ行為に及んだという事件。
判決、2年の実刑。
無罪を主張していた被告人は控訴するのだろうか?
ちょっと気になる。

お昼まで時間があったので、放火の事件を傍聴する。
刑事さんを全面的に信頼していて、言われた通りの調書にしたらこんなことになっちゃった、と主張する。
よく聞く話だけれど、よくあることなの?
そこんとこ本当はどうなの?

お昼は家から持って来たおにぎりと浅漬けという質素な食事を取る。
友達と合流して、続けて傍聴している集団強姦の法廷へ。
ちょっと早めに入って来た被告人のふてぶてしい顔を見て驚く。
「被告人、顔変わったよね?」
「うん、私もそう思う」
裁判官は一人しか入って来ない。私の大好きなあの人は!?
「え、裁判長だけ?」
「あの裁判官がいないなんて!」
裁判長は突然判決を言い渡す。
・・・なんだ、別の事件か。
ああ、びっくりした。
被告人は裁判の不利を確信してやさぐれて人格変わっちゃったのかと思ったよ。

一度閉廷し、改めて三人の裁判官が入って来て集団強姦の法廷が始まる。
弁護人が上申書や嘆願書を証拠取り調べ請求するところで、被告人はボロボロ泣き出す。
こんなことは初めてだ。
被告人の父親が情状証人として証言している間も被告人は泣き通し。
証人も泣きながら証言。
法廷はやや白け気味。

証人の後は被告人質問。
主張し忘れた事を裁判長に指摘されるようなうっかりぼんやりした弁護人が、ここで被告人を泣かせることに熱意を燃やす。
弁「あなたには奥さんと2人のお子さんがいますね?」
被「はい」
弁「お子さんは何歳ですか?」
被「8月で3歳と、今年の2月に生まれたばかりです」
弁「あなたがもし刑務所へ行くことになって、例えば2、3年経ってから戻って来たあなたを、下のお子さんはお父さんだと分かるでしょうか?」
被「分かりません(ここで泣き崩れる)」
このやりとりを見ていると、可哀想だから刑を軽くしてあげようという気持ちより、可哀想だからあんまり泣かせるなよ、弁護士、という気持ちになる。
ぼやっとしているくせにいじめるのはうまい。

自分は被害者に直接手を出してはいない、という被告人の主張に対して、裁判長は明らかに懐疑的だ。
「被害者が君たちの目の前で証言しなきゃいけないのはどんな気持ちか分かりますか?イチから思い出して証言する気持ちがあなたに分かりますか?少しはその気持ちも考えなさい」
つまり、それくらい相当な覚悟で証言した被害者が言ってるんだから、その通りのはずでしょ、ってことらしい。

検察側の求刑は懲役4年の実刑。
判決は一ヶ月後。
さて、判決はどうなりますやら。
そしてその頃も私は依然として裁判傍聴する無職でいるのでしょうか・・・?
どちらも気になる。

裁判所を後にして、友達とお茶をする。
話すのはいつものように裁判のこと、小説のこと、仕事のこと。
「無職小川の会」とは、読書会のことではなくて、こういう会を言うのではないかしらん。



ハローワーク→本屋→東京地裁 [裁判傍聴]

今日はハローワークの認定日。
儀式を終えてからいつも通り本屋へ。
本棚をざっと流す。
今の私の目に付くキーワードは「漱石」「仏」「ゲイ」「裁判」辺りのようだ。
買ったのは二冊。
「新版 裁判の秘密」
弁護士と法学者による裁判の実体暴露本(?)。
現役弁護士の話は生々しくて面白い。
「Slaughterhouse-Five」
また無謀に原書を買う。
日本語訳でいつか読もうと思っていたんだけど、目安がTOEIC600点ということで、意外と読みやすそうなのでチャレンジ。

本を買ってロッテリアへ行く。
お給料出たからおいしい物たべちゃお、という気分。
たまの贅沢がロッテリア・・・何も言うな。
絶品チーズバーガーは本当に絶品だ。
これはうまい。はまりそうだ。
かつて学生時代にマックのチーズバーガーにはまって一日平均1.5個(持ち帰って更にもう一つ食べる日もあった)食べていたら1週間で3キロ太ったことを思い出し、自分を戒める。

腹ごなしして東京地裁へ。
これもいつも通りのコース。

あまり見たことのない商標法違反の法廷へ行く。
韓国人による偽物ブランド品販売の事件であった。
あまり面白くなさそうだったので10分で退廷して別の法廷へ行く。

危険運転致死の法廷へ。
時速100キロ近い速度で赤信号を無視して対向車線の車に衝突して一人殺してしまった事件。

被告人はおそらく二十歳そこそこと思われる。
ずっと俯いて、答えもはっきりしない。
都合の悪い質問や難しい質問が出るとだんまり。
あまり印象は良くない。

事故の後、被告人はずっと気を失っていたと証言する。
検察に「誰かとケイタイで話していたのではないですか?」と聞かれても否定する。
しかし何度も突っ込まれるうちに会社へ電話していたことを認める。
どうしてここで嘘をつくのかなぁ。
警察官の証言やケイタイの通話記録からはっきりしてしまうことなのに。
検察は一連の質問で、被告人は会社へ電話を掛けるくらい意識がはっきりしていたのにも関わらず、通報もせず被害者を救出しようともせず、警察が来るまで車内に座ったままだったことを明らかにし、被告人の誠意のなさを強調することを目的としていたようだ。

ずっと気を失っていた、と主張したことは裁判長の心証も悪くしたらしい。
裁「どうしてそこで嘘をつくの?」
被「嘘をついたわけではないです」
裁「被害者を救出しなかったことが気に掛かってるんじゃないの?」
被「そういうわけではないです」
バカだねぇ。それじゃ余計に心証を悪くするっての。

被告人の両親が遺族へ謝りに行った件について、被告人は自分がお願いしたと証言したが、被告人の父の証言により、両親の自発的な行動だったことが明らかになり、ここにもウソが見付かる。
やはり被告人の証言は信用できず、誠意がないような印象を受けてしまう。

意見陳述ということで、被害者の奥さんが意見を述べる。
これが実に魂の叫びという感じで、私も思わず涙ぐむ。
事故で突然夫を失った喪失感、痴呆症の父と病気の長男を抱えどれほど夫を頼りにしていたか、夫がいかに自分の生活の大きな部分を占めていたか、その夫を奪われた悲しみ、怒りを切々と訴える。
野次馬のように裁判傍聴している自分が恥ずかしくなるくらい、ご遺族の怒り、悲しみ、絶望は大きい。

検察の求刑は8年の実刑。
対する弁護人は危険運転の法律そのものが基準があやふやな不出来な法律で憲法違反だと主張する。
それしか逃げ道はないんだろうね。
裁判長は「今更あんたの法解釈なんて聞きたくもないよ・・・」といった表情でつまらなさそうに聞いている。

この時点で予定より30分過ぎているにも関わらず、五分で判決を出すと言う。
開廷前からすでに判決は決まっていると言うけれど、さすがにちょっと、それでいいのか?と思ってしまう。
判決、被告人を6年2月の懲役に処す。

人を殺して6年か。
遺族の無念、いかばかりか。


被告になるよりは無職がいい [裁判傍聴]

今日も楽しく裁判傍聴へ行って来た。

運良く、以前にも傍聴した集団強姦の続きを聞くことができた。
右陪席は今日も可愛い。
姿を見た途端にニヤニヤしてしまう。

検察による被告人質問の続きから。
途中からなので、なかなか話に入って行けなくてちょっと苦労した。
前回と同じ検察官が相変わらずダラダラと質問をする。
ようやく被告人の証言の矛盾をつく。
被告人の横顔が紅潮した・・・ように見えた。

途中から検察官が交替。
この検察官はやり手だ。
ツッコミが鋭い。
この鋭いツッコミに右陪審はニヤニヤと笑う。
その顔を見て私もニヤニヤと笑う。

検察官は被告人の犯罪意識について畳み掛けるように質問を続ける。
悪い事をしているという気持ちはあったのか?
その場合の悪い事というのは具体的にどういう罪か?
強姦にあなたが関わっていないというのなら、あなたにはどんな罪があると思ったのか?
などなど。
だんだんと被告人の答えがしどろもどろになってくる。

検察官はとどめを刺す。
「あなた、すでにこの時点で自分の言っている事がどんどん変わっているの、分かってますか?」
「そう、ですか・・・」
「言っている事が変わっているという自覚はありますか?」
「はい」←圧倒されてすでに混乱していると思われる。
「それで信用してもらえると思っていますか?」
「信用っていうか、自分は何もしていないっていうのがあるんで・・・」
「言い逃れしようとしてるんじゃないんですか」
「そういうことはないです」
「以上です!」

この後、弁護人による質問があったけど、一体何を狙ったものなのか分からなかった。
この被告人と弁護人の間に信頼関係はないな、と思った。

続いて左陪席から質問。
取調期間中に弁護人とはどんな話をしたのか、というような内容だったと思う。
右陪席からの質問はなし。
つまんなーい!楽しみにしてたのに!!

最後、裁判長から質問。
10日か20日で出してあげるから言われた通りの調書にしろと刑事に言われた、という点について質問。
被告人の答えに、裁判長は首を捻る。
明らかに信じていない。
裁判長にこれやられちゃうと、被告人にとって精神的ダメージは大きいだろうな。
終いには裁判長「言っていることが分からない」と切り捨てる。
裁「あなたずっとその場にいてね、これから何が行われるのかまったく関心がないの?」
被「その時には、なかったです」
裁「関心を持たなかったということを、あなたは恥ずかしいとは思わないの?」
被「今は恥ずかしいと思います」
裁「集団強姦っていうのはあなたたちにとっては日常的なことなの?」
被「いえ、そんなことはないです」
裁「その異常な状況について、ほとんど覚えていないというのはどういうことなの?」
被「その時は大麻のせいで頭がぼんやりしていて・・・」
裁「大麻のせいにするつもりなの」
被「大麻のせいっていうか・・・」
ここで裁判長のとどめの一撃。
「あなたが法廷で言ってることはね、全然伝わって来ないんですよ」
被告人は放心したような顔で元の席に戻った。

さてどうなるのか!?
次回も是非聞きに行こうと思います!

帰って来たらSE職のごめんなさいメールが来ていた。
まあ、きっと、これでいいんだよ。
多分、これでいいんだよ。
へこたれない!!


就職より傍聴 [裁判傍聴]

今日は本当は面接のはずだったんだけど、そっちは辞退して裁判傍聴に行ってしまった。
だって、もし内定をもらったとしてその会社に行くかと考えたら、答えはノーだったんだもの。
本当に働く気があるのか、自分でも怪しくなってきた・・・。

さて、優雅なプー太郎は霞ヶ関へ。
まずは恐喝未遂。
金に困った被告人が25歳の女性にナイフを突き付けて金を脅し取ろうとした事件。

裁判官はいかにも裁判官な感じの方。
解剖学の養老先生にちょっと似ている。
もっとずっと若いけど。
この人、右目をちょっとだけ細める癖がある。
見ようによってはウインクしているように見える。
被告人に元の席へ戻るように告げる時、この癖が出た。
「はい、いいですよ。元の席に戻ってください」
という何の変哲もない言葉。
ところがこのウインク(?)が付くと一気にアメリカンな雰囲気になる。
「オーケー、ジョン。さあ、リラックスして。じゃあ、元の席に戻ってくれるかな☆」
という雰囲気になる。
ホントだって。見てみなって。

この裁判官、よく喋る。
情状証人がいなくて時間がたっぷりあったためか、お金のことを根掘り葉掘り聞く。
それによって派遣労働の過酷な実体が明らかになる!
・・・これって弁護人の仕事じゃないのか?
だけどこんな事件を起こさないで済む方法はあったよね、と裁判官の説教が続く。
説教も長い。
真面目に働くだけじゃなくて、遊びを控えて貯金しようね。そんでもってお酒はやめようね。あなた事件起こすときはいつも酒飲んでるんだからね。
「遊べなくても、酒が飲めなくても、シャバにいる方がいいですよ」
シンプルだけど名言だと思う。

蛇足。
検察官は真っ赤なハンドタオルを使っていた。
勝負タオルだろうか?

続いて覚せい剤。
1回目:執行猶予付き
2回目:実刑
今回

2回目の犯行は執行猶予期間中だったのだけれど、判決が出た時には執行猶予期間が過ぎていた。
よって1回目の刑期はプラスされなかったらしい。
そういうもんなんだね。
「(執行期間が切れるまで)逃げていたわけじゃないの?」
と裁判官に確認されていた。

最後は準強制わいせつ。
針灸師が患者の高校生にわいせつ行為をしたという事件。

これはねー、ちょっと分からない。
分からないというのは、真実が何か分からない。
被告側は完全無罪を主張しているのです。

検察官は主張する。
施術から巧みにわいせつ行為に移っていたという被害者の証言は生々しく一貫性もあって、とても虚偽の証言をしているとは思えない。
しかも被害者は一度事実を認めていたことがある。

だけど弁護人は主張する。
被告人の妻や被害者の母親がいつ入って来てもおかしくないような時間帯に、出入り口のすぐ近くのベッドでそんなことをするはずがない。

どっちもそれなりに説得力があって、よく分からなくなる。
だけど16歳の少女がわいせつ行為について訴訟を起こすというのはとてもリスキーなことだと思う。
それを敢えて訴えて、本人もきちんと法廷で証言したと言うのだから、覚悟の程が分かる。

疑わしきは罰せずの原則に従うお裁きのプロがどういう結論を出すのか。
非常に興味がある。
この判決は是非聞きに行きたい。


無職小川の会 [裁判傍聴]

昨日は久々に裁判傍聴へ行って来た。
以前に初公判を傍聴した集団強姦の続き。
右陪席が私の大好きなあの裁判官だしね。

内容は証拠請求(?)と被告人質問。
私の記憶では、初めは弁護側は「やったことはやったけど、あれは合意の上のことで、強姦ではない」と主張していたはずなんだけど、今回の被告人質問では「やってない。妻子だっているんだし、やりたいとも思わない」と主張。ん??

弁護人はやる気があるんだかないんだがよく分からない人で、無表情に淡々と質問を続ける。
検察官はいまいち要領が悪くて、細かい確認をダラダラと続ける。
裁判官もダレてくる。三人とも明らかにダレてくる。
そりゃそうだろうよ。

私はことあるごとに右陪席を見る。
かわいい。
質問者と被告人を交互に見ながら一生懸命聞いている姿が可愛い。
「ホントですかぁ〜?」って顔でニヤニヤ笑いながら被告人を見ている顔が可愛い。
ちょっと身を乗り出して緩く握った拳を口元に当てて肘を突きながら話を聞いている姿が可愛い。
いつか私はこの裁判官に手を振ってしまいそうな気がする。

無職傍聴仲間の友達と、いかにあの裁判官が可愛いかを語りながら銀座方面へ。
我が聖地・歌舞伎座の前のワッフル屋さんに落ち着いて、ここからは読書会。
樋口一葉の「にごりえ」について語る。
お力は結城さんの奥さんになりたかったのか否か。
お力は未だに源さんに惚れているのか否か。
そもそも「にごりえ」ってどういう意味だ?
などなど、語り合う。
結局、よく分からない。

ついでに会の名前を決めた。
「無職小川の会」
今の私たちにはぴったりの名前だけれど、第三者から見たら意味不明。
いいんです。
二人はだんだん煮詰まってくるから、もう少し仲間が欲しいよね、と話す。
小説が好きで裁判傍聴が好きな無職はいないかな。
そもそも、無職があまりいないという現実に直面してややしんみりする。
大丈夫!これからどんどん良くなるさ!と励まし合う。

次回は川甚で高等遊民しつつ「予告された殺人の記録」をお題とすることに決まった。


傍聴マニアの邂逅 [裁判傍聴]

午前中にハローワークへ行って無職な自分を再認識し、帰りに立ち寄った本屋で活き活きと仕事をしている人々の記事を見て悲しい気持ちになり、このままではいかんと思って裁判所へ行った。
ある意味、失礼な利用方法かもしれぬ。

傍聴したのは強盗致傷。
脱衣所での窃盗を繰り返し、刑務所にも何度も入っている。
母親所有のアパート家賃収入と妻のパート収入で十分生活していける。
おこづかいもある。
なのにまたやっちゃう。
これはもう癖になっちゃってるんだと思う。
酒とか麻薬とかと同じ、窃盗にも中毒性があるのでしょうか。

情状証人は85歳の母親。
このバカタレは自分がしっかり更生させると涙ながらに訴えます。
被害者が来ていると弁護士から聞いたらしく、終いには傍聴席に向かって土下座までする。
裁判長が「やめてください」と止めるが聞かない。
なんかもう、痛々しくて見ていられません。
傍聴席に戻ったおばあちゃん、検察官が激しく責める被告人質問を聞きながら大きな独り言を言う。
「あれもヤな奴だね」
多分それ、本人に聞こえてます・・・。

今回の事件のきっかけは、長年信用していて一生の付き合いになると思っていた友人からの絶交宣言で、憂さ晴らしにやってしまったと被告人は言う。
似たような話で、彼女を友達に取られたのがショックで覚せい剤に手を出したというものがある。
そもそも、普通の人にはそういう発想がない。
この差は大きいよねぇ。

続いて別の窃盗事件の法廷へ。
ここで、いつかはそんなこともあろうと思っていたことが起こった。
傍聴人席に、何度か一緒に傍聴した友達の姿を発見。
隣に座って、やあ、どうもどうも。
多分、他の人が見たら裁判所で知り合った傍聴マニア同士なんだろうなぁ、と思いつつ。

法廷は起訴状の読み上げだけで終わってしまいました。
ちぇー。

今日は私の大好きな窓口裁判官がいなくてちょっと寂しかったです。
今度はいつ会えるかしら。


役所の窓口風裁判官 [裁判傍聴]

昨日は友達と裁判傍聴に行ってきました。

私のお気に入りのあの妙に腰の低い裁判官が頑張っていた。
なんと一日に10件処理。
裁判官の出世は判決を出した数で決まるらしいので、あの人は昨日一日でかなりポイントを稼いだに違いない。
友達曰く、「意外と出世欲あるんだね」
出世欲があろうがなかろうが、面白ければいいんです。私は応援してますよ!

この裁判官の面白さは実際にその語り口を聞かないと魅力が半減なのですが、笑わせてもらった会話をご紹介。

裁「喫茶店店長が覚せい剤ってどういうことなのかなって思ったら、出会い系喫茶なの」
被「はい」
裁「出会い系喫茶、ノンノ。ふうーん。これはいかがわしいお店じゃないの?」
被「いえ、違います」
裁「18歳未満の女の子紹介するようなところじゃないの?」
被「いえいえ、そんなことはしてません」
裁「あそう、ふうーん」

裁判官は単純に出会い系喫茶ってどんなことしてるんだ?って興味を持ったに違いない。
私もすごく気になる。
もっと突っ込んで欲しかった!

裁「手取りで50万ってかなりもらってるねぇ。蓄えもけっこうあるんでしょ?」
被「いえ、ないです」
裁「ないの。全部覚せい剤につぎ込んじゃったの?」
被「いえ、そういうわけではないです」
裁「あ、違うの。ふうーん」

ああ、やっぱり文章にすると魅力が伝わらないなぁ。
役所の窓口で相談に乗ってるような口調なのですよ。
そして「ふうーん」は明らかに疑いの眼差しなのですよ。

事件の内容に関わらず見に行きたいと思わせる希有な裁判官です。



小さな達成感 [裁判傍聴]

傍聴週間最終日。
お天気も良く、鼻歌歌って参りましょう。

今日も無難に覚せい剤。
被告人の女性が「亀」印のオレンジのスウェットを着ていたのが非常に印象的でした。
亀仙人のお弟子ですか。
被告人も証人もボロボロ泣く法廷とのギャップが何やらおかしいような哀しいような。

証人は被告人の息子の元カノだそうだ。
証人の旦那さんが闇金に手を付けて非常に辛かった時に被告人が支えになって、以来、親子のように付き合っているらしい。
この証人、質問されると、聞かれたこと以外についてもダラダラと話す。
終いには裁判官もイライラしてきたのか
「もう結構です。答えは簡潔に」
と注意する。
この裁判官、昨日の法廷で精神病を患う女性放火犯に紳士的な優しさを見せていた人。
泣き出して答えられなくなった被告人に対して
「いいですよ。気持ちが落ち着くまで待ちましょう」
なんて言っていたから、気が短い人ではないんだと思うけど、今日の証人には耐えられなくなったと見える。
被告人に対する質問の時には、出頭が遅れた理由について細かい言い訳をする被告人に対して
「それはいいんだけどさぁ」
と、ちょっとやさぐれ気味。
今日は出掛けに何か嫌な事でもあったのでしょうか。

被告人は、夫が入手した覚せい剤を使ったとのこと。
夫は1年2ヶ月(だったかな)の実刑が決まっています。
今後は夫と二人で薬には一切手を出さず真面目に暮らします、とのことだけど、覚せい剤の前科持ちの二人が夫婦として暮らして、薬から一切手を切るのは相当難しいんじゃないかと、誰もが思うだろうなぁ。

次も覚せい剤。
こちらも被告人は女性です。

冒頭で逮捕時に所持していた覚せい剤を「これはあなたのものですか?」と検察が確認するところで、裁判官が「あなたの所有物ですかってことなんだけど、分かります?」と言葉の意味を理解しているか確認した。
多分、一時的に誰かから預かっていただけのものではなく、完全に自分の意のままにできる所有物なのかってことを確認したかったんだと思う。
被告人にはよく分からなかった様子。
検察官が言葉を変えて確認します。
「つまり、あなたが権利を主張できるものかってこと」
それじゃますます分かりません・・・。
「誰にも相談しないで、自分の好意で人にあげたりできるものですか?」
とかなんとか、結局そんな言葉で治まったようです。
傍聴していると、エリート達ができるだけ分かりやすい言葉で表現しようと苦戦する姿が度々見られます。
格差社会ですなぁ。

情状証人は被告人のお父さん。
娘には自分の仕事を手伝う働き手として早く帰ってきて欲しいことを度々話します。
弁護人が「被告人の子供達にとって、被告人は必要な存在だと思いますか?」と聞くと、
「私ももう歳なので、孫の面倒を見るのは大変だ」
と答える。微妙にすれ違っている。
話を聞いていると、娘が可愛いというよりも、単なる働き手として必要としているだけのように聞こえる。
裁判官に向かっての最後の言葉も
「厳しい時代なので、早く娘を返して欲しい」
と言う。

この一言が検察官の癇に障ったらしい。
「さきほどの、娘を早く返してくれという言い方はおかしいんじゃないですか。被告人は自分のしたことの責任で行くんだってことを分かってますか!?」
と一喝。手にはいつの間にやら扇子まで持っていて非常に威圧的。
きゃー、怖い。

証人が検察官に怒られる場面は度々見掛けるけれど、被告人の罪について証人を怒っても仕方ないんじゃないのかなぁ。
親の監督不行き届きとか、分からないでもないけれど、被告人はみんな一応成人なんだしさぁ。
証人はきっと心の中で「なんでお前に怒られなきゃならないんだ」って思ってるに違いない。

証人についてもう一つ、いつも思うこと。
聞かれたこと以外についてもベラベラ話し出す証人は珍しくない。
そういう証人には確かにイライラする。
だけど、日常生活だったらどうだろう。
例えば
「○○さんを知っていますか」
と聞かれて、法廷で良しとされるのは「はい」か「いいえ」の簡潔な答え。
その人は何をしている人なのか、その人のことをどう思っているのかは、改めて一つずつ質問されます。
でも、日常会話で同じことを聞かれて「はい」で終わったら、その人はきっと会話ができない人、と見なされる。
法廷で求められる会話と日常会話は別のもの。
でも、それを使い分けるのって、難しいよねぇ。
相手の質問の意図と、どんな答えを期待しているのかを瞬時に読み取って答えるって、かなり高度な技術です。
それを証言台という緊張する場面でできる証人が少ないのは、仕方ないのかもしれないな。

本日のマメ知識。
検察官が証人の採用に同意する場合の「しかるべく」は検事共通用語のようです。
この言葉といい、風呂敷といい、検察官には不思議なしきたりが色々あるんだなぁ。

さて、傍聴週間お疲れ様でした。
まあ、単なる道楽だから辛いことも疲れることも何もなかったんだけど、五日間通う!と自分で決めたことをやり遂げられたことがちょっと嬉しい。
ほんのちょっとしたことでも、達成感って大事です。


被告人に一癖あり [裁判傍聴]

裁判傍聴週間4日目。
雨にもめげず参ります。

まずは集団強姦。
おや、右陪席は昨日の妙に腰の低い裁判官ではなりませんか。
今日もお会いできるとは思いませんでした。こんにちは。
検事さんは二人とも女性。強制わいせつとか強姦などは被害者が女性なだけに、女性が担当することが多いのでしょう。

被害者は15歳の少女。それを車で連れ回し5人で強姦。許すまじ!
ところが被告人と弁護人はこれを否定。
車に乗った事も、性交渉も、被害者と合意の上の事だと主張。
なんたることか!
しかし話を聞いていると、どうも根拠のない話でもないような・・・。
被害者の少女はいわゆる「とっぽい」コのようです。
犯人グループとは元々知り合いで、5万円の借金をして返さなかったとか、犯人グループの一人のお姉さんから服や靴を盗んだとか。
事件の後、被告人との性交渉をお友達に自慢していたとか、車で連れ回されたけど遊んだだけだとお友達に話していたとか。
どこまで本当なのか分からないけど、純真無垢な少女が汚された、というイメージがだんだんと崩れていったのは確かです。

ということで、争点は一言で言うと「被害者の同意があったのか否か」ってことなんだと思う。
うーん、これは同意100%、不同意0%、とはっきり割り切れる問題ではないような気が。
同意20%+不同意80%とかなんじゃないかなぁ。
それを検討した上で、有罪か無罪か、有罪だとしたらどれくらい罪が重いのかってことを決めるんでしょうね。

一つひっかかったのは、犯人グループの内の二人が現在も逃走中だということ。
逃げるってことは、相当やばいという自覚があるってことなんじゃないのかね?

次回以降、証人尋問や被告人質問が予定されていますが、本日は起訴状についての弁護人意見までで終了でした。

続いて放火の法廷へ。
これは、統合失調症とかその類いの精神病(お医者さんによって言うことが違って、結局正確な病名が分からないらしい)を患っている30歳の女性が発作的に自分の家に火を着けた、という事件。
ウツが進むとここまで来ちゃうんだなぁと気の毒でもあり、また自分だってそうなる可能性がないわけではないと思うと恐ろしくもあり。

当然、争点は「事件当時の責任能力があったか否か?」です。
この検事さんはパワポで資料を作ってきて法廷のスクリーンに映しながら起訴内容を説明します。
パワポ資料にはちゃんと表紙も付いています。ビジネスの提案書のようです。
「責任能力とは」なども丁寧に説明している辺り、裁判員制度を意識してのことでしょうか。

この資料に書かれていた「単なる人格障害」の一言がどうやら密かに被告人の逆鱗に触れた模様。
検察官による被告人質問の際、被告人は突然そのことを持ち出します。
「人格障害というのは差別用語です!今は性格障害と言います!単なる性格障害というのも差別です!」
その時、検察官の表情が変わらなかったのを私は流石だと思った。

その他、裁判官と検察官との間で書類の提出について言った言わないでちょっと揉めこと、その件について休廷中にも検察官はブツブツ文句を言っていたこと、裁判長が被告人に紳士的な優しさを見せていたことなどなど、小ネタはいくつかありますが、とりあえず本日はこれにて!


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