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阿弖流為(アテルイ) [歌舞伎]

新橋演舞場で「阿弖流為」を観てきました。

歌舞伎NEXTと銘打ってはいるものの、私の印象では歌舞伎度30%くらいかな。
元々は劇団新感線のお芝居だったのを歌舞伎にしているので、音楽も照明もロックです。
いつもはお囃子さんがいる下手の御簾内にはドラムの人がいる。たぶんシンセサイザーも。
ああ、録音じゃなくて生演奏だったんだー、と知った。
これはこれでとてもいいと思います。

さて、まずはチラシをご覧あれ。

ateruifl_201507_f.jpg

どうよ、カッコよくない!?

坂上田村麻呂の勘九郎ちゃんは実に生き生きとお芝居をしていて、観ていて気持ちがいい。
まあ、そういう気持ちのいい男、という役ではあるのだけれども。
たまに表情や声の調子に、親父が乗り移ったかと思う瞬間がある。
勘三郎さんに似て欲しいような気もするし、あまり親父に縛られずに自由にやって欲しい気もする。
どちらにしても、これからもっともっといい役者さんになっていくのだろうな、と思う。

阿弖流為を演じる染五郎は相変わらず芸達者である。
この人を見るたびに、器用だなぁ、ズルいなぁ、と思う。
スカしたポーズがまた絵になるんだ。
ズルいよなぁ。。。
年をとっても無理なく二枚目ができる役者だと思われます。


そして、私がもっともシビれたのは、両花道を使っての染五郎・阿弖流為と勘九郎・田村麻呂の名乗りの場面!
左に田村麻呂、右に阿弖流為。
互いに滔々と名乗りを上げて見得を切る。
ちょーカッコイイ!
めちゃカッコイイ!

やっぱり両花道いいわーー。
自分が舞台の中にいる感じがするんだよね。


お話の方は、大和の朝廷に仕える田村麻呂と、蝦夷の族長・阿弖流為の二人が中心になって進んでいきます。
ここに大和の神である帝と蝦夷の神である荒覇吐神(あらはばきのかみ)という対立軸が絡み、まさに私好みの、「神とは何か、神と人との関係とは」というような話に入り込んでいきます。

荒ぶる神である荒覇吐はもちろん、帝もどことなく禍々しい得体のしれない存在として描かれている。
神なんてのは、そういうものなのかもしれんなぁ。

蝦夷をまとめて敵に対抗することと、日の国を統一して「海の向こうの眠れる獅子」に対処することとの相似形。
遠い未来での日米衝突を暗示させる。
日本は単一民族国家であるという幻想。
日の国とは? 帝とは?

いいねー、いいねー、こういうの好きよ。

といっても、別に堅苦しいお芝居ではなくて、ところどころでギャグが入り、派手な演出もあり、素直に楽しめる舞台です。

劇場入り口で配られたリストバンドが、エンディングで自動的に光り出します。
客席に浮かび上がる蝦夷の星空。
舞台から見たらさぞや美しかろう。

久しぶりの舞台、大満足です。





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コメント 2

けめこ

あーいいわー、こういうの。
劇団新幹線歌舞伎にしちゃうんだ。
ほー。

神は実は絶対善ではないのは
わたしもなんとなくわかります。
女神転生しかり、キングスフィールドしかり。
大二郎しかり。
いいわー。
by けめこ (2015-07-08 17:11) 

若隠居

いいよねー、こういうの。
神とは? 仏とは? 人とは?

鬼として歴史の闇に葬られた辺境の人々の話とか、日本人の好きな滅びの美学があるね。

神とはお鎮まりいただくものであって、その力を利用しようとするものは神に飲み込まれてしまうのです。
おおおー。
by 若隠居 (2015-07-09 09:06) 

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