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ベルギー奇想の系譜 [美術館/博物館]

Bunkamuraで閉会間近の「ベルギー奇想の系譜」を観てきました。

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頭のおかしい絵がたくさんあって楽しかったです。
さらっとご紹介。

ブリューゲルの「七つの大罪」シリーズあたりは「バベルの塔」展でも観たような気がするな。
「マレヘムの魔女」「魔術師ヘルモゲネスの転落」は変な人々がごちゃごちゃとたくさんいて、図録とかでじっくり見たらさぞや楽しかろう。
細かく書き込まれた小品版画が多いので、混雑しているとちょっと見づらい。

ルーベンスの原画を版画に彫った「ライオン狩り」「カバとワニ狩り」は現実的にはあり得ないくらい人とライオンとかカバとかワニとか猟犬とかがごちゃっとかたまっていて妙な魅力がある。
がぶっと噛みついたライオンの顔に寄ったシワがなんかいい。

クノップフの描く女性はとても静かで美しくてこの世ではないどこかを想っているようで、青い血が流れていそう。
細く儚い主線に淡くわずかな彩色が施されいてますます神秘的。
手を重ねて目を閉じる女性の「もう、けっして」。
もう、けっして……何なのでしょうね? 余韻が残る作品。
女性と片翼の彫像を描いた「蒼い翼」も不思議と惹きつけられます。

部屋に飾りたい、と思ったのは「フランドルの雪」。
人気のないフランドルの雪景色。圧倒的な面積を占める空は朝焼けでしょうか、夕焼けでしょうか。
寂しげだけれど落ち着く絵です。

廃墟となった工場らしき建物とその前を流れる運河を描いた「運河」はあっちの世界に行ってしまいそうな雰囲気がたまらなくイイ。
部屋に飾るとほんとにあっち行っちゃいそうだからやめておこう。

ロップスの一連の作品は、サタニズムだかなんだか知らないが、エログロホラーで迫力があった。
部屋に飾りたくはないが、こっそり所蔵したい気がする。

大好きなデルヴォーとマグリットもありましたが、これといった作品はなし。

カフェでシフォンケーキと紅茶をいただき、その後、自転車仲間と合流して大はしゃぎして帰りました。
充実の一日でございました。





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川本喜八郎人形ギャラリー「君主とその武将たち」 [美術館/博物館]

渋谷ヒカリエの川本喜八郎人形ギャラリーが展示替えされたので観てきました。

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今回は「君主とその武将たち」というテーマだったので三君主揃い踏みでしたが、中でも曹操様のカリスマ性は光っていました。
顎の青いひげ剃り跡が好きです。
関羽の長く美しい髭と青龍偃月刀はやはり見事だった。
本当に絵になる武将だよなぁ。
もしゃもしゃ頭とグリグリおめめの張飛も可愛い。

平家物語の方も充実していましたが、とにかく登場人が多くて名前も似ていて覚えられない!
史上唯一、二人の天皇の后になったという多子というお姫様にドラマを感じました。

8月のワークショップでは周瑜都督との撮影会があったようですね。
血を吐いていない都督にはあまり興味がないので、まあ別にいいかな。
曹操さまと写真撮りたいなぁ!



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百年文庫 絆 [本]

​百年文庫の2巻目、絆を読みました。



「善助と万助」 海音寺潮五郎

戦国の名門・黒田家の家老二人による、拳で語り合う系の熱き友情の物語。
この作家の作品は初めて読みましたが、史料を丹念に読み込んでいるのだろうな、と感じさせる誠実な書き方が好ましいです。


「五十年後」 コナン・ドイル

ドイルといえばシャーロック・ホームズですが、実はホームズシリーズ以外の著作の方が圧倒的に多いそうです。
運命のいたずらによって引き裂かれた恋人たちの数奇な運命。
いかにも作り話です、というリアリティのなさが良くもありゴニョゴニョゴニョ……ドイルってそんなに小説は上手じゃないのかも、と思いました。
ホームズはキャラクターの勝利だよね。


「山椿」 山本周五郎

とてもいい話。そりゃあ周五郎だもの。
しかし世間の荒波に揉まれすぎてやさぐれた女から見ると、ちょっとうまくいきすぎやしませんか、と思わないでもない。
そして周五郎を素直に読めない自分のひねくれ具合に少々悲しくなったりもする。
麗しい純愛の方は勝手にやっててくれ、といったところだが、不器用なあの人がどう話を切り出したのかはとても気になります。



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秋のDVD祭り [映画]

​ナウシカと一緒に借りたその他のDVDを簡単にご紹介。

「ミツバチのささやき」



「エル・スール」の良さがさっぱりわからなかったのが残念で、さらに評価の高いこっちならどうだ!? と思って観てみたけれど、やっぱりわからなかった。
この映画の良さを理解できない私の感受性の乏しさをお許しください。。。
しかし主役のアナちゃんは可愛い。めちゃくちゃ可愛い。


「病院坂の首縊りの家」



若き日の草刈正雄が演じる杢太郎がとても良かった。
日本人離れした濃い顔もいいし、生き生きとした演技がとてもいい。
最初に出てくる作家のおじさん、セリフがものすっごい棒読みで誰だこれ、と思っていたら最後にもう一度出てきてようやく気が付いた。
横溝正史本人じゃないか!
それにしてもこのパッケージ、決めのラストシーンをこんなに堂々と使っちゃっていいんですかね……?


「ニューヨークの恋人」



ツッコミどころ満載のハリウッド流タイムトラベル・ラブロマンス。
ヒュー・ジャックマン演じる公爵が白馬で駆けつけてメグ・ライアンが振り向くシーンなんか、ギャグとしてわざとやっているとしか思えないようなベタな演出だが、そこを恥ずかしげもなくあえてやる潔さはきらいじゃない。
二十歳くらいで観ていたら大好きになったかもしれん。


「未知への飛行」



冷戦下の核戦争の恐怖を描いた作品。
ほぼ同じプロットを「博士の異常な愛情」は徹底的に戯画化して描いたが、こちらは愚直なまでに真正直に取り組んだ。
どちらも評価は高いが、私の好みは断然「博士~」の方です。
大切なことは冗談のような口調で、冗談は真面目な口調で、話すのが効果的だと何かで読んだ気がします。
序盤、タカ派の政治学者を謎のセクシー美女が誘惑して「核戦争は美しいわ」とかよくわからん会話をするシーンがあるんだけど、美女はその後に登場せず、何の伏線だったのか、そもそも伏線でもなんでもないサービスシーンだったのか、意味不明。


「海の上のピアニスト」



お行儀よく綺麗にまとめられた映画。
大西洋を航海する船の上で生まれ、一度も船を降りたことがない天才ピアニストの話。
船酔いで苦しむマックスの前に燕尾服で颯爽と現れる1900がステキ。
軽快なワルツに合わせて、遊園地のティーカップのように回るピアノに乗るシーンが秀逸。
原作の小説の方が物語としては濃密だろうと思うけど、映画ならではの音楽との融合を楽しみたい。


でも、まあ、やっぱり、ナウシカだよね。
クシャナ殿下のシーンだけ抜粋して何度も観たよね。


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暴走を止める3将軍 [つぶやき]

Newsweek日本版の「アメリカを守る最後のとりで 米政府 危ういトランプ政権が機能しているのは3人の元将軍のおかげ」という記事が面白かった。
暴走する大統領を3人の元将軍が制御する……って、普通は逆でしょ。

ケリー、マクマスター、マティスのうち、私が就任当初から注目しているマティス国防長官は特にキャラが立っていて面白い。
脇役ながらも絶大なる人気を誇るアニメキャラにいそう。

少年時代はかなりのワルだったが、軍隊に入って一変、優秀な軍人として頭角を現す。
その戦ぶりは激しく、畏敬の念とともに「狂犬」と呼ばれる伝説の指揮官となる。
一方で、軍に人生を捧げたストイックな生き方から「戦う僧侶」というあだ名も。
退役して学究生活を送っていたこの元将軍に、悪名高い新大統領が政権入りをオファー。
それを承諾したことに周りは驚いたが、暴走気味の大統領も、この元将軍の言葉には耳を傾けるという。
冷静沈着な軍事のエキスパートは異例の大統領の政権運営にどう影響を与えるのか!?

ほら、マンガやアニメに出てきそうでしょ。
あの強面がまた絵になるよね。



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ハルキとか膵臓とか [本]

ハワイ旅行から帰ってきた友達が、お土産と共に一冊の文庫本を渡してきた。
「なにこれ、面白いの?」
「わかんない」
「え、どういうこと?」
「成田で買ったんだけど、ちょっとしか読んでない」
「なんで読んでない本を渡すの……」
「代わりに読んでもらおうと思って」
「あ……そう……まあいいや、とりあえず借りとくよ」
「うん、読んで読んで♪」

で、開いてみたら……

「君の膵臓を食べたい」



ドギャーン!!!
という効果音が頭の中で流れました。

いやまあ、しかし、これも何かの縁。
読まず嫌いは良くない、と意を決して10ページほど読んでみましたが……
うううっ、辛いよぉ。
無理だよぉ。
ハルキに憧れてる中高生の文章なんだよぉ。。。

しかもよりによって、その本を受け取った時、私はナウシカ原作をまさに読み進めている最中だったんだよぉ。
何千人何万人って死んでいって、世界が滅亡するかどうかって時に、僕は病に侵された美少女クラスメイトと心の交流をしている場合じゃねぇんだよぉ。。。

ちなみに、貸してくれた友達にどれくらい読んだのか聞いたところ、
「30ページくらい[わーい(嬉しい顔)]
とのことでした。

そんな中、姉がハルキのエッセイを読んだとかで、せっかくだからシンクロニシティにのっかってハルキの話でもしますか。

私が読んだハルキ作品はとても少ないが、この本は面白かった。



「約束された場所で」

王蟲……じゃなくてオウムの信者と元信者にインタビューしたもの。
ハルキには珍しいノンフィクションで、小説が苦手な人でも面白く読めると思います。

そして、ハルキが苦手な人がとりあえずハルキストと友達になるために読むならこれがおすすめです。



「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」

私の歴代上司の中に二人のハルキストがいるが、奇しくもその両人が一番好きだと言ったのがこの作品。
ハルキストではない私が読んだ数少ないハルキ小説がこれで、そのおかげで上司の覚えもめでた……くなったかどうかは知らないが、なんか勝手に仲間だと思ってもらえたようです。
全然ハルキストではない私が読んでも面白かったです。
好きじゃないけど、たしかに面白かったです。

ハルキの影響力ってホントすごいよね。



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その後のクシャナとクロトワ [つぶやき]

寝ても覚めても殿下のことが頭から離れないので、クシャナ殿下とクロトワのその後について小一時間……どころか計5時間くらい考えてみた。

まず、正式な結婚、というのはなさそうだな、と思う。
イマイチ想像できない。

殿下の本心ははかりようもないが、クロトワはあきらかに下心アリアリなので、こういうことがあったりするかもしれない。

「何をする!?」
「あ、いえ、殿下の色香に惑わされまして、つい」
「…………」
「…………」
「ハハハハハ! トルメキアの白い魔女をそのような目で見る男がいたとはな」
「掃いて捨てるほどいると思いますがねぇ」
「事の最中に毒蛇の牙にかかるかもしれんぞ?」
「殿下の上で死ねるなら本望で」
「フン、正気かクロトワ」
「正気ですぜ。まあ、頭が多少、瘴気にやられているかもしれませんが」
「笑えんな。もうよい、さがれ」
「へ? おとがめはなしで?」
「このような戯言、とがめるのも馬鹿馬鹿しい」
(こちとらけっこう本気だったんだがねぇ……)

殿下は生涯独身を貫いてもカッコいいと思う。
ご幼少の頃からの経験上、殿下にとって男とは「自分の命を狙う毒蛇」「かわいい部下」「その他」でしかなかったと思われる。
殿下は男を必要としていない。
逆に言えば、殿下にとって結婚なんてのはしてもしなくてもどっちでもいいもので、トルメキア再興が軌道に乗ってきた辺りで、口うるさい王族や貴族どもを黙らせるために、家柄はいいが毒にも薬にもならないようなおとなしい男とあっさり婚礼を挙げそうな気もする。

同じ頃にクロトワも気のいい娘と結婚して、子供も生まれてそれなりに幸せな家庭を築いたりする。
でも二人ともそれぞれの配偶者といるよりも断然長い時間を一緒に過ごしていて、あの過酷な戦役を生き延びた共通の経験もあって、誰よりも通じ合っているところがある。
その二人の間に男女の関係があるかどうかは大いに悩む。
正直、今でも真剣に悩んでいる。
エカチェリーナ二世とポチョムキンみたいな関係もいいな、と思ったりもするけれど、ここはあえて、あくまで主従以上愛人未満にとどめておく。

やがてなすべき事をなし終えたクシャナは永遠の眠りにつく。
老いてなお美しいその死に顔を眺めながら、自身もまた老人と呼ばれる年齢になったクロトワは相変わらずの口調でつぶやく。
「このひとも死ぬときゃ死ぬんだねぇ」
一緒にコルベットに乗っていたあの修羅の日々が蘇る。そしてその後の再興の道。
花を手向けて飄々と立ち去る老クロトワ。
(俺が出会った中で、一番いい女だったぜ、クシャナ)
そして半月後、後を追うようにクロトワもまたこの世を去った。

……という妄想。



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風の谷のナウシカ(原作) [本]



睡眠時間を削って全7巻を改めて読了。
本当に圧倒的な作品です。

初めて最後まで読んだときはそのグロさにノックアウトされてしまいましたが、今回はもっと一人一人の登場人物にフォーカスして読めたような気がします。
それぞれの人がそれぞれの論理に従って動き、それによって悲劇や衝突が起こるのですが、ホラー映画なんかでよくあるように「なんでわざわざそっち行くかなぁ!」というようなイラッとする行動が一つもないところが素晴らしい。
その行為に賛同できるかどうかは別として、その人なりの合理性は理解できるのです。

原作ではもう一人のヒロインとして活躍されるクシャナ殿下の美しくも凛々しいお姿がやはり光ります。
好きなシーンはたくさんありますが、一番好きなのは蟲の大群から逃げて壕の中でやり過ごす場面。
蟲たちによる大殺戮が行われている中でのクロトワの名台詞「クシャナが歌ってやがる!?」です。
怯えてすがりつく兵士たちを抱きかかえるようにして、クシャナ殿下は一人、子守歌を歌っているのであります。
その姿を見た時、そうか、ナウシカだけでなく、クシャナもまた兵士たちにとっての聖女であり慈母なのだ、と思いました。
美しく、気高く、部下たちを愛し、自ら突撃の先頭に立つ姫殿下。
豊かな長い髪を惜しげもなく手向け、死んでいった部下たちのためにひっそりと涙を流す「トルメキアの白い魔女」。
そりゃあ命を捧げて従いたくなります。

映画のクシャナとクロトワもいいけど、原作はもっといい。
なんだかんだ言ってもクシャナのために働き、いざという時はしっかり殿下をお守りするクロトワ。
「顔もイイが頭もイイ、かわいいぜ、クシャナ」や「ウホッ、イイにおい」、「次はヨロイなしでだきたいねぇ」などなど、皮肉まじりではあるものの、女として見ているクロトワに対して、毛ほども男として見ていないクシャナ殿下がまたステキ。
でも部下としてちゃんと大事にしていることはわかります。
瀕死のクロトワを見捨てずに背負って逃げる!
大の男を背負って走るって、どんなお姫様ですか、殿下!?
そして重傷のクロトワに手ずから水を飲ませる。なんとお優しい、殿下!
ちなみにクロトワ27歳、殿下25歳だそうです。
年齢的にはお似合いですが、さて、その後どうなりましたことやら。

クシャナのもう一人の男(?)、皇兄ナムリスとのやりとりも好きだ。

クシャナ「ムコ殿の素顔を見せよ」
ナムリス「ヒヒ...ふしどを共にするまでの楽しみにしておけ」
クシャナ「牙をむく毒蛇の巣穴に裸で踏み込めるかな?」
ナムリス「それでこそわが血まみれの花嫁だ。憎悪と敵意こそ真の尊敬を生む源となろう。二人してたそがれの王国を築こうではないか」

毒々しい会話なのに、どことなくスパイシーなロマンスを感じるのは私の頭が腐海の毒に侵されているからでしょうか!?

体がちぎれて首だけになったナムリスをひっつかむクシャナ殿下もステキだが、「 ひでぇ女房だ」とぼやくナムリスがだんだん好きになってくる。
「ウハッ 亭主の首を放り投げやがった」に至っては可愛さすら感じます。
これほど「女房」「亭主」という言葉が似合わない二人もいないと思うのですが。。。

うーん、やっぱりキリがない。

クシャナを見ていると、三国志の曹操が重なります。
戦では容赦がないが、内部的には善政をしくあたりとか。
魏王にまでは上ったが決して皇帝にはならなかった曹操と、先王から正式に王位を継承したものの生涯、代王のままだったクシャナ。
トルメキアが魏なら、風の谷を含む辺境地帯は蜀でしょうか。
土鬼が呉って感じはしないけど、圧倒的ヒーローがいない点では呉っぽいとも言える。

ところで「私は王にはならぬ、すでに新しい王を持っている」というクシャナのセリフの真意は何なのでしょうか?
新しい王って誰?
ナウシカってことも考えられるけど、ナウシカの思想と「王」という立場は相容れない気がするんだな。
それぞれの解釈があっていいのだと思いますが、私は「この星の命の総体」を王として、その代理人として政治を行う、の意味ととりたい。

代王としてのクシャナ殿下の麗しきお姿を一目見てみたいものです。



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風の谷のナウシカ(映画) [映画]

8月の長雨でずっと布団が干せなかった。
ついに晴れた日、頭の中でクシャナ殿下の声が聞こえた。

「いま干さずにいつ干すのだ。ゆけ!」

はい、殿下! と答えながら私はベランダへ突撃した。
そして久しぶりに映画版「風の谷のナウシカ」が観たくなった。



いやー、いいね。
やっぱりいいね。
全然古びないね。

映像ももちろんいいんだけど、クシャナ、クロトワ、ユパの声優さん最高だよな。
ていうか、クシャナ殿下好きすぎてどうしようかと思う。

ユパの仲裁に「諫言耳が痛い」と静かに声を発するクシャナ殿下。
クロトワに向かって「ふ、タヌキが」と鼻で笑うクシャナ殿下。
アスベルのガンシップによる攻撃中もまっすぐ前を向いて微動だにしないクシャナ殿下。
燃える船の中でガンシップで脱出しようとするナウシカに向かって(うまくやったな、行け)とでも言うかのように口許をゆがめて笑うクシャナ殿下。
その後、ナウシカに「来い!」と言われて意外そうな顔をするのもいい。そして素早く乗り込む潔さもかっこいい。
総攻撃を前に「私も待ちたいのだ」とナウシカを待つクシャナ殿下。
クロトワの「ほいじゃ待ちますか?」と「何があったか知らねぇが、かわいくなっちゃって、まぁ」も好きだ。
ナウシカの奇跡で王蟲の暴走が止まった後に呆然と横座りするクシャナ殿下も可愛いぞ!

いやあ、きりがないね。

子供の頃の私にとって、ナウシカは映画ではなくてラジオドラマ的なものであった。
映画を観たことはなく、従姉がくれた音声テープをそれこそ100回以上繰り返し聞いていた。
今改めて映画を観て思うのは、脚本と声優さんのすばらしさ。
映像なしの音声だけでも、小学生がストーリーをそれなりに理解できるように作られているというのはすごいことだ。
良質のものは、例え難解であっても子供にも理解できるのである。

映画を観たら今度は原作マンガが読みたくなって引っ張り出した。
これもまた最高に素晴らしいんだよなぁ。グロいけど。

原作のクシャナ殿下についても色々語りたいけど、それはまた別の機会に。
あ、そうそう、これだけは言わせて。
子供たちがナウシカを呼ぶ「姫ねえさま」もいいけど、原作で親衛隊がクシャナを呼ぶ「姫殿下」がたまらなく好きです。



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百年文庫 憧 [本]



百年文庫全100冊制覇プロジェクトを始めました。
ポプラ社から出ている装幀の綺麗なふと気軽に手に取れそうなシリーズです。
1冊に3人ずつ、国内外の文豪の作品が収められていて、これを全部読めば計300人の文豪について「読んだことがある!」と自慢できます。
ちょっとワクワクするでしょ?

それぞれに漢字一文字のタイトルがついていて、1冊目は「憧」。
収録されている作品と感想は以下のとおり。

「女生徒」 太宰治

14歳の少女の何でもない一日を一人称で綴った作品。
面白いなーと思うところもあるし、ほとばしる才能を感じるんだけど、私が太宰作品を読んで思うのはいつも同じで、最終的には「めんどくせーやつだな」に落ち着くのだった。
これはもう相性の問題だから仕方ないと思うの。

ここはいいな、と思った箇所が二つ。

P32 なぜ私たちは、自分だけで満足し、自分だけを一生愛して行けないのだろう。

P82 明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。


「ドニイズ」 レイモン・ラディゲ

パリの若者が田舎の娘に恋をする話なんだけど、全然さわやかではない。だいぶ爛れている。
私としては、ああそうですか、としか……
全裸で休んでいるときに葡萄の葉の代わりに読みさしの本を使うくだりは面白かった。


「幾度目かの最期」 久坂葉子

初めて知った作家です。
財閥のお嬢様で早熟な天才少女だったそうです。
外から見れば何もかも持っている幸せなお嬢様ですが、本人はずっと生きづらさを抱えていたらしい。
21歳で自殺しますが、その直前に書かれた遺書のような作品。
3人の男とくっついたりはなれたりして、でも結局救われなくて、最終的に自殺を決意する話。
本当に実際のことをそのまま書いたのか、そのまま書いた体裁の創作なのかは知らないが、いずれにしても「好きにしてくれ」と思った。
速達、電報、喫茶店の電話での呼び出しなど、当時の恋人たちの通信手段はスマホ時代の今から見るととてもドラマチックね。


3作品に共通するのは早熟早世天才文学であること。
私がこれに共感する豊かな感性を持ち合わせていないからそう思うのかもしれないけど、これを「めんどくせぇ」と思わずに読める人はそんなにいないんじゃないかなぁ、と思うんですがどうでしょうか。
ましてやこれが図書館のヤングアダルトの棚にあって、本好きなヤングアダルトが生真面目に1巻目から読もうと手に取って、いきなりこれをくらって挫折する確率が高いんじゃないかなぁ、と思うんですがどうでしょうか。

装幀にこだわった本づくりといい、ラインナップといい、文学への入り口というよりは通向けの趣味の本という印象のこのシリーズです。
ちなみに私が読んだことがあるのは、たぶん読んだはずだけど忘れた、も含めてたったの6話!
読んだことがある作家は300人中たったの(推定)48人!

読書ってのはな、数読めばいいってもんじゃないんだぜ、お嬢ちゃん。
ふっ……
とニヒルと気取りつつ、せっせと読みそうな気がします。

そしてここではたと気付いたのですが、これらの作品ってたぶんそのほとんどが著作権が切れている。
それらをちょっといい感じに編纂して、オシャレな装幀をほどこして、一冊810円で売る商売のあざとさがさすがポプラ社だと思った。



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